平成29年度(2017年) 宅建過去問 解いてみました。正解肢解説しています。
こんにちは。きりん(@kirinaccount)です。
宅建過去問
2017(平成29年度)年過去問解いてみました。
宅建資格を取得するにあたり過去問(たっけんかこもん)を解いたところ
「解答を読んでもわかりにくい」
2017(平成29年度)年、宅建過去問正解肢(せいかいし)がわからない、わかりにくい場面に初学者の方でも役立ちそうな解説を少し混じえています。
・正解問題肢
・正解肢解説
・噛み砕いた表現
を用いて解説しています。
宅建試験合格、受験対策の一助になれば幸いです。
問題文中にて27、31、34、38、45、といった問題は”自ら売主”(みずからうりぬし)
が出題されました。
2017年度民法については判例が多く出題されました。
民法(みんぽう)
1-3 民法・代理・判例(みんぽう・だいり・はんれい)
復代理人(ふくだいりにん)が委任事務(いにんじむ)を処理するに当たり、金銭を受領し、これを代理人に引き渡したときは、特段の事情がない限り、代理人に対する受領物引渡義務(じゅりょうぶつひきわたしぎむ)は消滅するが、本人に対する受領物引渡義務は消滅しない。
1-3
こちらは誤りです。
なぜなら判例により本人に対する受領物引渡義務も消滅すると
しているからです。
たとえば宅建試験において学習する復代理においては代理権が消滅したとはいえません。
復代理人の立場
復代理とは、「代理人が他の物をさらに代理人として「選任」し、
代理人の権限の範囲内で代理行為を行わせること」です。選任された者を復代理人といいます。
① 復代理人は代理人の代理ではなく「本人の代理」です。
したがって、復代理人の行為は直接本人に帰属します。
② 代理人が復代理人を選任しても、代理人の代理権は「消滅」しません。また、復代理人の権限は代理人の代理権の範囲内であり、復代理人は代理人以上の権限はありません。
→代理人の代理権が消滅すれば復代理人の代理権も消滅する。
住宅新報社要点整理
(復代理人の権限等)
第一〇七条①
復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。
2 復代理人は、本人及び第三者に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。
デイリー六法 三省堂
2-4 民法・所有権(みんぽう・しょゆうけん)
AがBに丁土地(ていとち)を売却したが、AがBの強迫(きょうはく)を理由に売買契約を取り消した場合、丁土地の所有権(しょゆうけん)はAに復帰し、初めからBに移転しなかったことになる。
2-4
こちらは正解です。Aさんが強迫をしているとき契約を取り消すことができるからです。
たとえば第三者による強迫においても契約を取り消すことができます。
第三者による強迫
第三者による「強迫」の場合、相手方Bが善意・悪意を問わず、Aは契約を取り消すことができます。
住宅新報社要点整理
3-3 民法・共有(みんぽう・きょうゆう)
DとEが共有する建物につき、D E間で協議することなくDがFと使用貸借契約(しようたいしゃくけいやく)を締結した場合、Fは、使用貸借契約を承認しなかったEに対して当該建物全体を排他的(はいたてき)に占有する権原(せんゆうするけんげん)を主張することができる。
3-3
こちらは不正解です。
なぜならFさんが排他的に占有の権原を主張することはできるといえないからです。
たとえば使用貸借を承認していても排他的に占有する権原を主張することはできません。
第三者は、その者の占有使用を承認しなかった共有者に対して
共有物を排他的に占有する権原を主張することはできないが、現に・・・
問題抜粋文
4-2 民法(みんぽう)
他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる旨(むね)
4-2
こちらは正解です。
なぜなら所有者は公道に至るための通行権があるからです。
たとえば土地の所有者が公道にもし出られなければ困ります。
所有権(相隣関係)
公道に至るための他の土地の通行権
「袋地」の所有者は、公道に出るため、その土地を囲んでいる他の土地(囲続地)(いにょうち)を通行することができる
① 通行する場合には、囲繞地(いにょうち)にとって損害の最も少ない方法で通行しなければならない
② 通行の損害に対しては償金支払義務がある
③ 「分割」によってできた袋地(ふくろじ)の所有者は、他の分割された土地のみ通行でき、この場合は償金支払義務はない
住宅新報社要点整理
5-4 民法・売買契約(みんぽう・ばいばいけいやく)
売買契約締結時(ばいばいけいやくていけつじ)には当該自動車がAの所有物ではなく、Aの父親の所有物であったとしても、AC間の売買契約は有効に成立する。
5-4
こちらは正解です。
なぜなら全部他人物売買にあたるからです。
たとえば目的物がAさんの友人のものでも有効です。
売買の効力
第五六〇条
他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
デイリー六法
6-3 民法・相続(みんぽう・そうぞく)
遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)が成立するまでの間に遺産である不動産から賃料債権(ちんりょうさいけん)が生じていて、BとCがその相続分に応じて当該賃料債権を分割単独債権(ぶんかつたんどくさいけん)として確定的に取得している場合、遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)で当該不動産をBが取得することになっても、Cが既に取得した賃料債権につき清算する必要はない。
6-3
こちらは正解です。
なぜなら判例によりBはCに相続開始時に存した自己の金銭の支払いを求めることはできないからです。
たとえばCが既に取得した賃料債権につき清算を求めることはできません。
相続財産としての金銭は、不動産・動産と同様遺産分割まで共有の状態にある
判例によれば、「相続人は、遺産分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払いを求めることはできない」としています。本来、金銭は占有即所有となるのが原則ですが、(本肢の場合は)特段の事情があるものとして例外となります。しかし、金銭債権では、当然に分割されるのですが、金銭はできません。そこで、遺産分割まで共有となるのですが、それは物を遺産分割したときに相続人間で不均衡となるのを金銭で調整するねらいがあるからです。なお、近時の最高裁判例によれば、預貯金は、これまでは当然分割されて、遺産分割の対象とならないとされてきましたが、預貯金も遺産分割まで共有となる判決が出ています。
2018年度版 うかる!宅建士直前模試 4回200題 引用
7-3 民法・請負契約・判例(みんぽう・うけおいけいやく・はんれい)
3 請負契約(うけおいけいやく)の目的物に瑕疵(もくてきぶつにかし)がある場合、注文者は、請負人(うけおいにん)から瑕疵の修補(かしのしゅうほ)に代わる損害の賠償を受けていなくとも、特別の事情がない限り、報酬全額を支払わなければならない。
7-3
7-3は不正解です。
なぜなら判例により本誌のような場合、報酬全額の支払いを拒絶できるとしています。
一般的な民法・請負人の担保責任について・・・
請負人の担保責任
買った者に瑕疵があった場合には、売買による売主の担保責任でした。これと同様に、請け負った仕事に瑕疵があった場合には、「請負人の担保責任」があります。この場合、請負人は「無過失責任」を負います。
住宅新報社要点整理
8-2 民法・連帯債務(みんぽう・れんたいさいむ)
AがDに対する債務(さいむ)と、Dに対して有する200万円の債権(さいけん)を対等額で相殺(そうさい)する旨の意思表示をDにした場合、B及びCのDに対する連帯債務(れんたいさいむ)も200万円が消滅する。
8-2
8-2は正解です。
なぜならA,B,Cは連帯債務のとき、相殺するとB,Cの債務も消滅するからです。
たとえばAが150万円相殺するとB、Cそれぞれの反対債権も150万円消滅します。
相殺 AがDに対して900万円の反対債権を有する場合、AがDに対しその反対債権で相殺すると、弁済したのと同じなので、B・CのDに対する債務も消滅する
→反対債権を有するAが、相殺をしない場合でも、ほかの連帯債務者B・Cは、Aの負担部分の300万円を限度として相殺を援用できる。
住宅新報社要点整理
[問9] 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aには配偶者(はいぐうしゃ)はなく、子B、C、Dがおり、Bには子Eが、Cには子Fがいる。Bは相続を放棄した。また、Cは生前のAを強迫(きょうはく)して遺言作成(いごんさくせい)を妨害したため、相続人となることができない。この場合における法定相続分(ほうていそうぞくぶん)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
9-3 民法・相続
Dが6,000万円、Fが6,000万円となる。
9-3
正解です。
なぜならBが相続放棄をするとEは相続できず、Cの代襲相続ができるFとDが各々相続人になるからです。
例えばBさんが相続放棄しなければB,F,D各々1/3相続します。
相続放棄をした者は、はじめから相続人とならなかったものとみなされる
・放棄は各相続人が「単独」でできる
・熟慮期間内に家庭裁判所に申述する必要がある
住宅新報社要点整理
10-1 民法・質権(みんぽう・しちけん)
①不動産質権(ふどうさんしちけん)では、被担保債権(ひたんぽさいけん)の利息のうち、満期となった最後の2年分についてのみ担保(たんぽ)されるが、②抵当権(ていとうけん)では、設定行為に別段の定めがない限り、被担保債権(ひたんぽさいけん)の利息は担保されない。
10-1
不正解です。
なぜなら抵当権、被担保債権の利息は満期となった最後の2年分についてのみ担保されるからです。
たとえば、不動産質権は設定行為に別段の定めがない限り、被担保債権の利息は担保されません。
抵当権の特徴
①占有の移転・・・目的物の占有はそのまま設定者にあります。
②諾成契約・・・登記は抵当権の成立要件ではありません。
(ただし、第三者に対抗するためには登記が必要)
③優先弁済件・・・優先弁済の範囲は元本・利息・損害賠償金などです。
・元本以外の利息は最後の2年分に制限されています。
・他に債権者がいない場合は2年分に制限されません。
④抵当物件の譲渡・・・抵当物件を譲渡するとき、抵当権者の同意は不要です。
⑤目的物・・・抵当権を設定できるのは、不動産に限られます。
・土地・建物の所有権・地上権・永小作権です。
住宅新報社要点整理
11-2 民法・借地借家法(みんぽう・しゃくちしゃっかほう)
借地権(しゃくちけん)の存続期間を10年と定めた場合、本件契約が居住の用に供する建物を所有することを目的とするものであるときは存続期間が30年となるのに対し、本件契約が資材置場として更地(さらち)で利用することを目的とするものであるときは存続期間は10年である。
11-2
11-2は正解です。
なぜなら民法・借地借家権においても正しい記述だからです。
たとえば、借家60年という記述であれば民法・借地借家法いずれにおいても不正解です。
民法604条① 賃貸借の存続期間は、五十年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、五十年とする。
2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五十年を超えることができない。
デイリー六法
借地権の存続期間と更新期間
民法では賃貸借契約の存続期間は最長20年であり、また、更新後も最長20年でした。しかし、借地借家法(借地の場合)では、賃貸借契約の「期間を定める場合」と「期間を定めない場合」、それぞれ下記の期間となります。
借家権の存続期間
賃貸借期間は民法では最長20年ですが、この法律では20年を超えることもできます。ただし1年未満の期間を定めた場合は、「期間の定めがないもの」とみなされます(無効ではないので注意!)
当初の期間
期間を定める場合→30年以上で定める(これより短い場合は30年となる)
期間を定めない場合→30年となる
↓
更新後の期間
期間を定める場合→1回目の更新は20年以上(2回目以降は10年以上)
期間を定めない場合→1回目の更新は20年、2回目以降は10年
住宅新報社要点整理
12-4 民法・借地借家法(みんぽう・しゃくちしゃっかほう)
AB間の賃貸借契約(ちんたいしゃくけいやく)が借地借家法第38条の定期建物賃貸借(ていきたてものちんたいしゃく)で、契約の更新がない旨(むね)を定めるものである場合、当該契約前にAがBに契約の更新がなく期間の満了により終了する旨を記載した書面を交付して説明しなければ、契約の更新がない旨の約定(やくじょう)は無効となる。
12-4
12-4は正解です。
なぜなら、定期建物賃貸借において、あらかじめ通知を賃貸人がしておかなければ定期建物賃貸借契約は終了します。
定期建物賃貸借(=定期借家権)
借地借家法では、建物賃貸借は、賃貸人に正当事由がなければ、期間が満了しても更新するのが原則ですが、定期建物賃貸借の場合は、賃貸人に「正当事由がなくても」終了します。
住宅新報社要点整理
13-2 民法・区分所有法等(みんぽう・くぶんしょゆうほうとう)
区分所有者(くぶんしょゆうしゃ)の5分の1以上で議決権(ぎけつけん)の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができるが、この定数は規約で減じる(きやくでげんじる)ことはできない。
13-2
不正解です。
なぜなら定数は規約で減ずる定めができるからです。
たとえば増加はできません。
区分所有法
集会と規約
・管理者がいないときは、区分所有者の1/5以上で、議決権の1/5以上を有するものが招集します。定数は規約で減らすことができます。
→減らすことはできるが、増加はできないので注意!
住宅新報社要点整理
14-3 民法・不動産登記法(みんぽう・ふどうさんとうきほう)
賃借権(ちんしゃくけん)の設定の登記(とうき)をする場合において、敷金(しききん)があるときであっても、その旨は登記事項(とうきじこう)とならない。
14-3
不正解です。
なぜなら賃借権の設定登記において敷金は登記事項だからです。
たとえば住所は登記記録表題部です。
不動産登記法
①登記簿
登記記録の編成
①登記記録には、土地の登記記録と建物の登記記録があります。
いずれも表題部、権利部があり、権利部は甲区と乙区に分けられます。
②表題部には、その不動産の物理的な現況が記載されており、これを「表示に関する登記」といいます。
権利部には、甲区に所有権に関する事項、乙区に所有権以外の権利(抵当権や賃借権など)が記録されており、甲区、乙区を合わせて「権利に関する登記」と呼んでいます。
住宅新報社要点整理
都市計画法
15-4 農地法(のうちほう)
相続(そうぞく)により農地の所有権(しょゆうけん)を取得した者は、遅滞(ちたい)なく、その農地の存する(そんする)市町村の農業委員会にその旨を届け出なければならない。
15-4
正解です。
なぜなら相続による農地の所有権の取得においては
事後届け出が必要だからです。
たとえば土地収用法や、民事調停法による取得は許可不要です。
農地法
・農地法「3条」の内容とポイント
[許可権者]・・・農業委員会
[市街化区域内]・・3条の場合は、市街化区域内でも3条の許可が必要!
[例外]・・・①土地収用法や、民事調停法による農事調停で取得する場合は、許可は不要です。
② 相続・遺産分割・法人の合併、相続人に対する特定遺贈により取得する場合は、許可は不要です。ただし、原則として農業委員会に事後届出が必要となります。
住宅新報社要点整理
メモ 質権・・・3条許可必要
16-イ 都市計画法(としけいかくほう)
地区整備計画(ちくけいかくせいび)が定められている地区計画(ちくけいかく)の区域内において、建築物の建築を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
16
イは不正解です。
なぜならこちらにおいては届け出だからです。
たとえば国または地方公共団体が行う行為は
届出は不要です。
地区計画区域内の建築等制限
地区計画区域内(一定の再開発等促進区、開発整備促進区または地区整備計画が定められているところに限る)において、建築物の建築、工作物の建設、土地の区画形質の変更、建築物等の形態または意匠の変更などを行おうとする者は、その行為に着手する日の「30日前」までに、一定事項を「市町村長」(=知事でも市町村でもない)に「届け出」なければなりません。
(例外)下記の行為の届出は不要です。
a 国または地方公共団体が行う行為
b 通常の管理行為、軽易な行為
c 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
d 都市計画事業などの施工として行う行為、開発許可を要する行為
・届出に係る行為が地区計画に適合しないと認めるときは、市町村長は設計の変更等の「勧告」をすることができます。
地域地区(用途地域以外)
地域地区
特別用途地区
高度地区
高度利用地区
特定用途制限地区
特定街区
特例容積率適用地区
高層住居誘導地区
風致地区
住宅新報社要点整理
17-2 都市計画法 開発許可
市街化区域内(しがいかくいきない)において、農業を営む者の居住の用(きょじゅうのよう)に供する建築物の建築の用に供する目的で1,000㎡の土地の区画形質(くかくけいしつ)の変更を
行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
17-2 都市計画法 開発許可
2は正解です。なぜなら面積要件1,000㎡に該当するからです。
たとえば面積が500㎡の土地の区画形質の場合は許可不要です。
・変電所・・・該当なし
・1ha未満の遊園地について・・・許可不要
a 第1種特定工作物
第1種特定工作物とは、周辺地域の環境に悪化をもたらすおそれのある工作物をいい、具体的には、コンクリートプラント、アスファルトプラント、クラッシャープラント、危険物貯蔵庫などをいいます。
b 第2種特定工作物
第2種特定工作物とは、ゴルフコースや、1ha(=10,000㎡)以上の野球場、庭球場(=テニスコート)、運動場や遊園地のレジャー施設などをいいます。ここで注意しなければならないことは、野球場や庭球場等は10,000㎡以上でなければ特定工作物ではないということです。
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18-4 建築基準法 (けんちくきじゅうほう)
ホテルの用途(ようと)に供する建築物を共同住宅(その用途に供する部分の床面積の合計が300㎡)に用途変更する場合、建築確認は不要である。
18-4
4は不正解です。なぜならホテルを共同住宅に用途変更する場合、建築確認が必要だからです。たとえば用途が同じ場合は建築確認が不要です。
建築基準法・建築確認
全国どこでも
特殊建築物
特殊建築物の用途にする床面積が100㎡を超える
(映画館を劇場にするなど同種の用途変更は不要となる)
大規模建築物
・木造
下記のいずれかに該当するもの
① 3階以上(地階を含む)・延べ面積が500㎡を超える
② 高さ13mを超える・軒の高さが9mを超える
・木造以外
下記のいずれかに該当するもの
①2階以上
② 延べ面積200㎡を超える
(増築は増築後の面積で判断する)
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19-1 建築基準法
都市計画区域(としけいかくくいき)又は準都市計画区域内(じゅんとしけいかくくいきない)における用途地域(ようとちいき)の指定のない区域内の建築物の建ぺい率(けんぺいりつ)の上限値は、原則として、法で定めた数値のうち、特定行政庁(とくていぎょうせいちょう)が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるものとなる。
19-1
1は正解です。なぜなら用途地域の定めのない区域では、「特定行政庁が都道府県審議会の「議」を経て定める」という定めがあるからです。例えば
商業地域の建蔽率は8/10と定められています。
建築基準法・建蔽率
・「建蔽率」とは何か?
①建蔽率とは、建築物の建築面積(通常1階の床面積)の敷地面積に対する割合です。この建蔽率は商業地域は「8/10」と定められていますが、商業地域以外の用途地域は都市計画で定められています。なお、用途地域の指定のない区域では、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の「議」を経て定めます。
②建蔽率が異なる2以上の地域にまたがる場合、各地域の建蔽率に、敷地の当該地域にある各部分の面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下が、その敷地の建蔽率となります。簡単にいえば、それぞれの地域の建蔽率を適用(=加重平均)するということです。
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20-4 宅地造成規制法(たくちぞうせいきせいほう)
宅地造成工事規制区域内(たくちぞうせいきせいくいきない)において、政令で定める技術的基準を満たす地表水等を排除するための排水施設の除去工事を行おうとする場合は、一定の場合を除き、都道府県知事への届出が必要となるが、当該技術的基準を満たす必要のない地表水等を排除するための排水施設を除去する工事を行おうとする場合は、都道府県知事に届け出る必要はない。
20-4
4は誤りです。
なぜなら肢は地表水を排除するための排水施設の除去を行う場合、届け出が14日前までに必要だからです。
たとえば2mを超える擁壁の場合も同じく14日前までに届け出が必要です。
宅地造成規制法
・擁壁や排水施設の除去工事の場合
高さ2mを超える擁壁、地表水等を排除するための排水施設または地滑り抑止ぐい等の全部または一部の除去の工事を行おうとする者は、工事に着手する日の14日前までに知事に届出が必要です。
住宅新報社要点整理
語呂合わせメモ どどの卓三すでによっております
21-4 土地区画整理法
組合が施工(せこう)する土地区画整理事業(とちくかくせいりじぎょう)に係る施行地区内の宅地について借地権(しゃくちけん)のみを有する者は、その組合の組合員とならない。
21-4
4は誤りです。なぜなら借地権を有する者は組合員となるからです。
たとえば借家権を有する場合は組合員ではありません。
土地区画整理法
組合員
・施工区域内の宅地の「所有者」および「借地権者」は、すべて組合員となります。したがって、事業施行中に組合員から所有権を取得した者も組合員となります。→借家人は組合員ではありません。
住宅新報社要点整理
22-1 都市計画法(としけいかくほう)
津波防災地域づくりに関する法律によれば、津波防護施設(つなみぼうごしせつ)区域内において土地の掘削(くっさく)をしようとする者は、一定の場合を除き、津波防護施設管理者(つなみぼうごしせつかんりしゃ)の許可を受けなければならない。
22-1
1は正しい記述です。なぜなら肢の場合は津波防護施設管理者の許可が必要だからです。
たとえば文化財保護の場合は文化庁長官の許可が必要です。
その他の法令
許可制度
文化財保護法・・・文化庁長官
地すべり等防止法・・・知事
海岸法・・・海岸管理者
急傾斜地崩壊災害防止法・・・知事
生産緑地法・・・市町村
都市再開発法・・・知事等
道路法・・・道路管理者
流通業務市街地の整備に関する法律・・・知事等
河川法・・・河川管理者
密集市街地の防災街区整備法・・・知事等
港湾法・・・港湾管理者
届出制度
土壌汚染対策法・・・知事等
公有地拡大促進法・・・知事等
集落地域整備法・・・市長村長
東日本大震災復興特別区域法・・・市町村長(被災関連市町村長)
住宅新報社要点整理
23-1 所得税法(しょとくぜいほう)
個人が台風により主として保養(ほよう)の用に供する目的で所有する別荘について受けた損失の金額(保険金等により補てんされる部分の金額を除く。)は、その損失を受けた日の属する年分又はその翌年分の譲渡所得(ゆずりわたししょとく)の金額の計算上控除(こうじょ)される。
23-2
2は正解です。
なぜなら所得税法62条1項、施行令178条1項2号により正しい記述です。
たとえば、基本的に居住しなくても譲渡するものが、かつて居住しており、居住の用に供されなくなった日から同日以降3年を経過する日の属する日の属する年の12月31日までであれば、特例の適用が受けられます。
税金
・学習する税金の種類と仕組み
不動産に関する税金には数多くあります。試験対策としては、不動産を購入してから譲渡するまでの流れに沿って、下記の税金を押さえてください。
① 不動産の購入時点
契約する段階において、契約書に印紙を貼る必要があるので印紙税がかかります。そして、不動産の登記をするのですが、この登記に必要となるのが登録免許税です。さらに、不動産を購入したことによる不動産取得税も課税されます。
② 不動産の保有時点
不動産は保有しているだけでも税金がかかります。この税金が固定資産税と都市計画税です。
③ 不動産を譲渡した時点
最後は所得税です。所得には様々なものがありますが、ここでは不動産の譲渡による所得、「譲渡所得」について押さえておきましょう。
・そのほか、ローンで住宅を取得した場合、「住宅ローン控除」を受けることができ、頭金等を親からもらえば「贈与税」が課税されます。
住宅新報社要点整理
24-3 固定資産税(こていしさんぜい)
固定資産税の納税者(のうぜいしゃ)は、その納付すべき当該年度の固定資産課税(こていしさんぜい)に係る固定資産について、固定資産課税台帳(こていしさんかぜいだいちょう)に登録された価格について不服(ふふく)があるときは、一定の場合を除いて、文書をもって、固定資産評価審査委員会(こていしさんひょうかいいんかい)に審査の申出をすることができる。
24-3
肢3は正しい記述です。なぜなら固定資産税の納税者は登録価格に不服がある場合は、固定資産税評価審査委員会に審査の申出ができるからです。
たとえば
登録事項のすべてについて審査の申出ができるわけではありません。
固定資産税
・固定資産税の価格の決定
・審査の申出「審査の申出」ができる場合とは?
固定資産税の納税者は、登録価格に不服がある場合は、固定資産評価審査委員会に審査の申出ができます。
(登録事項のすべてについて審査の申出ができるわけではありません)
住宅新報社要点整理
25-3 地価公示法(ちかこうじほう)
標準地(ひょうじゅんち)は、土地鑑定委員会(とちかんていいいんかい)が、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常であると認められる一団の土地について選定するものとされている。
25-3
3は正解です。
なぜなら地価公示法において定めがあるからです。
たとえば土地鑑定委員会は、一定事項を公示したときは、すみやかに、関係市町村の長に対して、公示した事項のうち当該市町村が属する都道府県に存する標準地にかかる部分を記載した書面および当該標準地の所在を表示する図面を送付しなければならず、関係市町村の長はこれらの書面を一般の「閲覧」に供しなければなりません。
地価公示法
(第1段階)・・・土地鑑定委員会は、公示区域内(=都市計画区域その他も土地取引が相当程度見込まれるとして国土交通省令で定める区域)の土地で、自然的および社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について、標準地を選定します。
(第2段階)・・・土地鑑定委員会の求めに応じて、2人以上の不動産鑑定士が鑑定を行います。
不動産鑑定士は、
① 近傍類地の取引価格から算定される推定の価格
② 近傍類地の地代等から算定される推定の価格
③ 同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額
を勘案して、鑑定評価を行う。
「3つの価格」を「勘案」すると覚える!
(第3段階)・・・土地鑑定委員会が鑑定評価の結果を審査し、必要な調整を行って判定します。
(第4段階)・・・土地鑑定委員会は、毎年1回、1月1日(=基準日)の1㎡当たり(=単位面積)の「正常価格」を官報で公示するとともに、右項の
事項も記載します。
(第5段階)・・・土地鑑定委員会は、一定事項を公示したときは、すみやかに、関係市町村の長に対して、公示した事項のうち当該市町村が属する都道府県に存する標準地にかかる部分を記載した書面および当該標準地の所在を表示する図面を送付しなければならず、関係市町村の長はこれらの書面を一般の「閲覧」に供しなければなりません。
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宅建業法
26-1 宅建業法
建物を店舗として貸借(たいしゃく)する場合、当該賃貸借契約(とうがいちんたいしゃくけいやく)
において200万円の権利金(けんりきん)(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還され
ないものをいい、消費税等相当額を含まない。)の授受(じゅじゅ)があるときは、A及びCが受領
(じゅりょう)できる報酬の限度額の合計は216,000円である。
26-1
1は正解です。
なぜなら 報酬限度額の216,000円だからです。たとえば、居住用として貸借するとき、は不正解です。
報酬額の制限
「複数の業者」が関与した場合の報酬計算は、下記の「2点」に注意!
報酬の「総限度額」は、複数の宅建業者が関与しても、「代理の限度額」と同じ(=2倍)です。したがって、(上記1,000万円の例で)説明するのであれば、売主と買主がそれぞれ別の宅建業者に代理や媒介を依頼していた場合、双方とも課税業者であれば、下記のようになります。
① 2社の報酬の合計額(総合計額)は代理と同じ777,600円となり、もし1社が代理の場合、代理の業者が777,600円を受領すれば、もう一方の報酬は0円となります。
② 1社が「媒介」の場合、その業者は388,800円が限度額となるので、もう一方の業者は、代理・媒介を問わず388,800円が限度額となります。
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問27 宅地建物取引業者Aが、自ら売り主(みずからうりぬし)として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結(ていけつ)した宅地の売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか
27-イ 宅建業法
売買契約において、売主の責めに帰すべき事由による瑕疵(かし)についてのみ引渡しの日から1年間担保責任(たんぽせきにん)を負うという特約を定めた場合、その特約は無効となる。
27-イ
イは 正解です。なぜなら買主に不利だからです。たとえば、引渡しの日から2年であれば有効です。
8種制限
瑕疵担保責任の「特約の制限」とは?
1.瑕疵担保責任の「特約」の制限の内容
① 民法では、瑕疵担保責任とは、「瑕疵について、売主は自分に責任がなくても(=無過失)一定期間、一定の責任を負う」と定めています。
② 宅建業法では、宅建業者が自ら売主となり、宅建業者でない買主との売買契約において、瑕疵担保責任について、民法の規定により買主に「不利な特約」をした場合には「無効」になると定めています。
a.民法の規定より「有効な特約」・・・有効
b.民法の規定より「不利な特約」・・・無効2.瑕疵担保責任の「ボーダーライン」
瑕疵担保責任について、買主に不利かは、下記の「5つ」の内容を覚えれば解くことができます。
① (売主)瑕疵について売主は「無過失責任」を負います。
② (買主)瑕疵について「善意無過失」の買主が責任追及できます。
③ (追及手段)買主による責任追及手段は、下記のようになります。
a 瑕疵のため目的を達成できない場合、買主は「契約の解除権」や「損害賠償責任」の行使を、売主に対して行うことができます。
b 目的不達成でなければ、「損害賠償請求権」だけが認められます。
・民法では瑕疵担保責任の追及手段として、契約解除権と損害賠償請求権の行使が認められているので、この権利を排除する特約は無効となります。④(期間)瑕疵担保責任の追及手段は、買主がその事実を「知ってから1年以内」です。ただし、宅建業法では、「事実を知ってから1年以内」のほか、目的物の「引渡しの日から2年以上」でもよいとしています。
→業法上の追及期間は「事実を知ってから1年以内」か「引渡しの日から2年以上」のどちらも満たさなければその特約は「無効」となり、民法の規定により、瑕疵を「知った時より1年以内」となります。住宅新報社要点整理
28-ア 宅建業法
ア Aは、法第49条に規定されている業務に関する帳簿(ちょうぼ)について、業務上知り得た秘密が含まれているため、当該帳簿(とうがいちょうぼ)の閉鎖後、遅滞なく、専門業者に委託(いたく)して廃棄(はいき)した。
28-ア
ア〜エは 誤りです。なぜなら 全肢違反だからです。たとえば、アは閉鎖後5年間(宅建業者が自ら売り主となる新築住宅に係るものにあっては10年間)保存しなければなりません。
帳簿
帳簿は各事業年度の「末日」をもって閉鎖し、閉鎖後5年間(宅建業者が自ら売主となる新築住宅に係るものにあっては10年間)保存しなければなりません。
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29-4 宅建業法
宅地建物取引業者D(丙県知事免許(へいけんちじめんきょ))は、法第72条第1項に基づく丙県知事(へいけんちじ)による事務所への立入検査を拒んだ(こばんだ)。この場合、Dは、50万円以下の罰金に処せ(しょせ)られることがある。
29-4
4は 正解です。なぜなら宅地建物取引業法違反だからです。たとえば、立入検査を拒むといったところがポイントでしょうか。
試験の落とし穴
①「無免許の営業」「名義貸し」「不正手段による免許取得」「業務停止処分中の営業」の違反の場合(懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金またはこれを併科)
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30-1 宅建業法
宅地建物取引士A(甲県知事登録(こうけんちじとうろく))が、甲県(こうけん)から乙県(おつけん)に住所を変更したときは、乙県知事(おつけんちじ)に対し、登録の移転(とうろくのいてん)の申請をすることができる。
30-1
1は 正解です。なぜなら住所の変更をした場合は登録の移転ができないからです。たとえば、登録の移転後の宅建士証有効期間は移転前の残りの期間です。
宅地建物取引士
登録の移転
1.登録の移転
宅建業者が事務所の増減などの理由により、免許権者を変えなければならない場合、「免許換え」をしなければなりません。(=義務)。宅建士も同じように、勤務地の変更により登録権者を変えることができます(=任意)。この規定を「登録の移転」といいます。
免許換え
(宅建業者)
登録の移転
(宅建士)
変更する要件
事務所が増減または移転する場合
勤務する場所が変更となる場合(=宅建士の住所変更は関係ない)
変更要件を満たした場合
要件を満たせば、必ず免許換えをしなければならない
要件を満たせば、登録を移転することができる(=任意である)
免許証・宅建士証の有効期間
新たな免許(=5年間のものを交付)
移転前の残りの有効期間の宅建士証を発行する(=残存期間分を発行)
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31-4 宅建業法
ア Bは自ら(みずから)指定した自宅においてマンションの買受け(かいうけ)の申込みをした場合においても、法第37条の2の規定に基づき、書面により買受けの申込みの撤回を行うことができる。
31-4
31.は誤りです。なぜなら全ての肢が宅建業法違反だからです。たとえば、アは買受けの申込みをBが喫茶店と指定した場合は申込みの撤回ができます。
自ら売主制限
8種制限・クーリング・オフ制度
クーリング・オフ制度の対象となる買主
契約締結 「事務所」+「等」=契約解除できない買主①事務所以外で継続的に業務を行う施設を有する場所
②一団の宅地建物の分譲を案内所を設置して行う場所(土地に定着する施設に限る=テント張りなどはダメ!)
③宅地建物の売買契約に関する説明をした後、当該宅地建物に関し、展示会などの催しを土地に定着する建物内において実施する場合の当該場所
④売主の宅建業者が他の宅建業者に代理・媒介を依頼した場合は、依頼を受けた宅建業者の事務所もしくは①~③の場所
⑤業者の相手方(=買主)が自ら申し出た場合の自宅または勤務先(「必ず買主が申し出ること」+「買主の自宅か勤務先」であること)
(注)①~④については、専任の宅建士を設置する場所で、かつ、土地に定着する建物内に設けられたものに限る。住宅新報社要点整理
32-1 宅建業法・営業保証金(たっけんぎょうほう・えいぎょうほしょうきん)
宅地建物取引業者は、主たる(しゅたる)事務所を移転したことにより、その最寄りの供託所(きょうたくしょ)が変更となった場合において、金銭のみをもって営業保証金を供託(きょうたく)しているときは、従前の供託所(じゅうぜんのきょうたくしょ)から営業保証金を取り戻した後、移転後の最寄り(もより)の供託所(きょうたくしょ)に供託(きょうたく)しなければならない。
32-1
1は 誤りです。なぜなら保管替えができるからです。たとえば、有価証券が入っている場合は保管替えができません。
保証金制度
営業保証金の保管替え等(=移す)
営業保証金は、すべて「主たる事務所の最寄りの供託所」に「供託」しています。もし、主たる事務所の移転により最寄りの供託所が変わる場合、供託金を移転先の最寄りの供託所に移さなければなりません。これが営業保証金の「保管替え等」です。また、営業保証金を移すといっても、営業保証金に有価証券が入っている場合は保管替えできず、営業保証金は移転先の供託所に「新たに供託」しなければなりません。
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33-2 宅建業法・35条書面
(たっけんぎょうほう・さんじゅうごじょうしょめん)
宅地の売買の媒介(ばいかい)を行う場合、代金に関する金銭の貸借(たいしゃく)のあっせんの内容及び当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置(そち)について、説明しなければならない。
33-2
2は 正解です。なぜなら 売買の媒介においてあっせんは記載事項だからです。たとえば、売買の媒介においては”あっせん”は37条書面においても記載事項です。
重要事項説明書
重要事項説明書の記載事項
売買・交換
①登記された権利の種類と内容
②法令に基づく制限の概要
③私道負担
④飲用水・電気・ガスの供給ならびに排水施設の整備の状況
(整備の見通し、特別負担も含む)
⑤未完成物件(=工事完了前)における完成図
⑥区分所有建物に関する事項
⑦建物が既存住宅であれば、
a 建設状況調査の有無、および実施しているときはその概要
b 設計図書や点検記録などの保存状況
⑧代金または借賃以外の金銭
⑨契約の解除に関する事項
⑩損害賠償額の予定または違約金に関する事項
⑪手付金等の保全措置の概要
⑫支払金・預り金の保全措置の有無と概要
⑬ローンのあっせんの内容と不成立のときの措置
⑭瑕疵担保責任を負うことについて
保証保険契約の締結その他の措置の有無および概要
⑮その他国土交通省令等で定める事項
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34-3 宅建業法
宅地建物取引業者が、宅地及び建物の媒介(ばいかい)を行うに際し、媒介報酬(ばいかいほうしゅう)について、買主の要望を受けて分割受領(ぶんかつじゅりょう)に応じることにより、契約の締結を誘引(ゆういん)する行為は、法に違反する。
34-3
3は 誤りです。なぜなら報酬について分割受領は宅建士業法違反にあたらないからです。たとえば、報酬限度額を超えて受領した場合は違反です。
業務上の規制
・手付貸与等による誘引の禁止
宅建業者は、取引の相手方などに対して、手付の貸付けその他の信用供与をすることにより、契約の締結を「誘引」する(=誘う)行為はしてはなりません。したがって、締結したかどうかで判断するのではなく、このような行為で誘引すること自体が違反となります。
→手付の分割は違反となるが、代金の分割は違反になりません。
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35-3 宅建業法
宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿(ちょうぼ)に報酬の額(ほうしゅうのがく)を記載することが義務付けられており、違反した場合は指示処分(しじしょぶん)の対象となる。
3は 正解です。なぜなら 宅建業法に定められているからです。たとえば、帳簿は各事業年度の「末日」をもって閉鎖し、閉鎖後5年間保存しなければなりません。
帳簿
帳簿は各事業年度の「末日」をもって閉鎖し、閉鎖後5年間(宅建業者が自ら売主となる新築住宅に係るものにあっては10年間)保存しなければなりません。
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36-4 宅建業法・免許
宅地建物取引業者である法人Dが、宅地建物取引業者でない法人Eに吸収合併(きゅうしゅうがっぺい)されたことにより消滅した場合、一般承継人(いっぱんしょうけいにん)であるEは、Dが締結した宅地又は建物の契約に基づく(もとづく)取引きを結了(けつりょう)する目的の範囲内(はんいない)において宅地建物取引業者とみなされる。
36-4
4は 正解です。なぜならEがみなし業者とみなされるからです。たとえば、
宅建業者の死亡においても取引を結了するまでみなし業者とみなされる場合があります。
宅建業者
免許
・みなし業者
無免許営業は禁止されている。しかし、免許の失効後も、免許有効期間内においてなされた契約は、「取引の結了まで」は、その契約の目的範囲内において免許がなくても宅建業者とみなす。これをみなし業者という
具体例① 宅建業者が「死亡」した場合、その相続人が生前に業者が締結した取引を結了する行為。ただし、免許自体は相続されないので注意!
② 宅建業者が「合併」で消滅した場合、当該業者が消滅前にした取引の結了を目的として、吸収した法人がする行為
③ 「廃業」や「免許取消し」などにより、宅建業の免許の効力がなくなった場合、当該業者が免許の取消しが行われる前に締結した取引を結了する行為
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37-3 宅建業法
宅地建物取引士の登録を受けるには、宅地建物取引士資格試験に合格した者で、2年以上の実務(じつむ)の経験を有するもの又は国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上(どうとういじょう)の能力を有すると認めたものであり、法で定める事由(じゆう)に該当しないことが必要である。
37-3
3は 正解です。なぜなら宅建業法に定めがあるからです。たとえば宅建士登録は
実務経験が2年以上ない場合は国土交通大臣の指定する登録実務講習が必要です。
宅地建物取引士
宅建士証
登録実務講習(実務経験2年以上ない場合に必要)
「国土交通大臣」の指定する講習を受講した者は、実務経験を有するものと同等以上の能力を有するものとして、その認定を受けることにより、登録ができるようになる。この講習を「登録実務講習」という。
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38-2 宅建業法・37条書面
(たっけんぎょうほう・さんじゅうななじょうしょめん)
Aは、自ら売主(みずからうりぬし)となる宅地の売買契約において、手付金(てつけきん)を受領するにもかかわらず、37条書面に手付金等(てつけきんとう)の保全措置(ほぜんそち)の内容を記載(きさい)しなかった。
38-2
2は違反しないです。なぜなら売買契約手付金の保全措置は35条書面の記載事項だからです。たとえば、37条書面にはございません。
37条書面
37条書面記載事項
省略不可
① 契約当事者の氏名・住所
② 物件特定に必要な表示
(物件の所在・地番・種類など)
③ 既存住宅の建物状況調査の双方確認
④ 代金(または借賃)などの額、支払時期および方法
⑤ 物件の引渡し時期
⑥ 移転登記の申請時期
その定めがなければ省略可
⑦ 代金(または借賃)等以外の金銭の額など
⑧ 契約解除に関する事項
⑨ 損害賠償額の予定・違約金の内容
⑩ ローンのあっせんが不成立のときの措置
⑪ 瑕疵担保責任を負うことについて、保証保険の締結その他の措置について定めがあるときは、その内容
⑫ 瑕疵担保責任の内容の定めの内容
⑬ 天災、不可抗力による損害賠償の定め(危険負担)
⑭ 租税その他の公課の負担の定め(固定資産税など)住宅新報社要点整理
重要事項説明書の記載事項
売買・交換
①登記された権利の種類と内容
②法令に基づく制限の概要
③私道負担
④飲用水・電気・ガスの供給ならびに排水施設の整備の状況
(整備の見通し、特別負担も含む)
⑤未完成物件(=工事完了前)における完成図
⑥区分所有建物に関する事項
⑦建物が既存住宅であれば、
a 建設状況調査の有無、および実施しているときはその概要
b 設計図書や点検記録などの保存状況
⑧代金または借賃以外の金銭
⑨契約の解除に関する事項
⑩損害賠償額の予定または違約金に関する事項
⑪手付金等の保全措置の概要
⑫支払金・預り金の保全措置の有無と概要
⑬ローンのあっせんの内容と不成立のときの措置
⑭瑕疵担保責任を負うことについて
保証保険契約の締結その他の措置の有無および概要
⑮その他国土交通省令等で定める事項住宅新報社要点整理
39-イ 宅建業法 営業保証金・保証協会制度
(たっけんぎょうほう えいぎょうほしょうきん・ほしょうきょうかいせいど)
Aは、平成29年5月1日に、Bに手付金(てつけきん)500万円を支払い、宅地の売買契約(ばいばいけいやく)を締結した。宅地の引渡しの前にBが失踪し、宅地の引渡しを受けることができなくなったときは、Aは、手付金について、弁済業務保証金(べんさいぎょうむほしょうきん)から弁済を受けることができる。
39-イ
こちらは 正解です。なぜなら イは相手方が宅建業者だからです。たとえば、
宅建業者以外であれば還付請求できます。
営業保証金、保証協会制度、いずれにおいても宅建業者は弁済を受けることができません。
保証金制度
・営業保証金の還付の手続き
宅建業法では、取引の相手方に不測の損害を与えるようなことがあった場合、一定額の損害(=供託している供託金の額を限度とする)を補えるように供託するよう定めています。この営業保証金から「還付請求」できる者とは、宅建業者との「宅建業に関する取引から生じた債権」を有する者とされており、この請求権がある者を「還付請求権者」といいます。
→宅建業者は還付請求権者から除かれるので注意。
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40-3 宅建業法・37条書面
(たっけんぎょうほう・さんじゅうななじょうしょめん)
売主である宅地建物取引業者Eの宅地建物取引士Fは、宅地建物取引業者ではない買主Gに37条書面を交付する際、Gから求められなかったので、宅地建物取引士証をGに提示せずに当該書面を交付した。
40-3
3は 正解です。なぜなら 37条書面交付時には提示する必要がないからです。たとえば、35条書面重要事項説明時には提示が必ず必要です。
宅地建物取引士
宅建士証
宅建士証はいつ見せるの?
・取引の関係者から請求があったとき
・重要事項の説明を行うとき
(相手方からの請求がなくても必ず見せる!)
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41-2 宅建業法・35条書面
(たっけんぎょうほう・さんじゅうごじょうしょめん)
土地の売買の媒介(ばいかい)を行う場合、移転登記(いてんとうき)の申請の時期の定めがあるときは、その内容を説明しなければならない。
41-2
2は 誤りです。なぜなら35条書面記載事項ではないからです。たとえば、37条書面において記載事項です。
37条書面記載事項
省略不可
① 契約当事者の氏名・住所
② 物件特定に必要な表示
(物件の所在・地番・種類など)
③ 既存住宅の建物状況調査の双方確認
④ 代金(または借賃)などの額、支払時期および方法
⑤ 物件の引渡し時期
⑥ 移転登記の申請時期
その定めがなければ省略可
⑦ 代金(または借賃)等以外の金銭の額など
⑧ 契約解除に関する事項
⑨ 損害賠償額の予定・違約金の内容
⑩ ローンのあっせんが不成立のときの措置
⑪ 瑕疵担保責任を負うことについて、保証保険の締結その他の措置について定めがあるときは、その内容
⑫ 瑕疵担保責任の内容の定めの内容
⑬ 天災、不可抗力による損害賠償の定め(危険負担)
⑭ 租税その他の公課の負担の定め(固定資産税など)住宅新報社要点整理
42-ア 宅建業法・広告
宅地の販売広告において、宅地の将来の環境について、著しく事実(いちじるしくじじつ)に相違する表示をしてはならない。
42-ア
42、4肢全て正解です。なぜなら宅建業法によると全て正しいからです。たとえば、肢アが現在、将来において著しく事実に相違する表示をしていれば不正解です。
業務上の規制
誇大広告等の禁止対象となる8事項
①所在
②規模
③形質
・形質とは、地目、新築か中古かの別、ガスや水道などの整備状況
現在または将来における
④ 利用制限
⑤ 環境
⑥ 交通の利便など
・利用制限には、用途制限などの公法上の制限だけでなく、私法上の制限も含まれる
・交通の利便などは、交通機関の種類や駅までの所要時間などのこと
⑦代金・借賃などの対価の額、支払方法など
⑧ 代金・交換差金における金銭の貸借のあっせん
(⑧はローン金利や返済期間など)住宅新報社要点整理
43-ア 宅建業法・媒介契約(たっけんぎょうほう・ばいかいけいやく)
Aは、2週間に1回以上当該専任媒介契約(とうがいせんにんばいかいけいやく)に係る業務の処理状況をBに報告しなければならないが、これに加え、当該(とうがい)中古マンションについて購入の申込みがあったときは、遅滞なく(ちたいなく)、その旨(むね)をBに報告しなければならない。
43―ア
アは 正しい記述です。なぜなら 宅建業法に違反していないからです。たとえば、報告義務は専属専任媒介においては1週間に1回以上です。
媒介契約書
・媒介契約書の記載事項
報告義務
一般媒介契約 義務なし
専任媒介契約 2週間に1回以上(休日含む)(説明は口頭で行ってもよい)
専属専任媒介契約 1週間に1回以上(休日含む)(説明は口頭で行ってもよい)
44-(4)
宅建業法・免許
宅地建物取引業者F社(乙県知事免許(おつけんちじめんきょ))が株主総会(かぶぬしそうかい)の決議により解散することとなった場合、その清算人(せいさんにん)は、当該(とうがい)解散の日から30日以内に、その旨(むね)を乙県知事(おつけんちじ)に届け出なければならない。
44-(4)
こちらは 正解です。なぜなら 宅建業法に違反しないからです。たとえば、宅建業者が死亡した場合は相続人が死亡を知った日から30日以内に届出が必要です。
宅建業者
廃業等の届出
届出が必要なとき
届け出義務者
届出期間
免許の失効時
宅建業者の死亡
相続人
死亡を知った日から30日以内
事実が発生した日
法人が合併で消滅
消滅した法人の代表役員
消滅した日から30日以内
事実が発生した日
宅建業者の破産手続開始の決定
破産管財人
破産手続開始の決定を受けた日から30日以内
届出のあった日
法人が解散(合併、破産以外)
清算人
解散した日から30日以内
届出のあった日
宅建業の廃止
個人→その者
法人→代表役員
廃止した日から30日以内
届出のあった日
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5問免除科目
45-2 宅建業法・特定住宅瑕疵担保責任(たっけんぎょうほう・とくていじゅうたくかしたんぽせきにん)
自ら売主(みずからうりぬし)として新築住宅をBに引き渡したAが、住宅販売瑕疵担保保証金(じゅうたくはんばいかしたんぽほしょうきん)を供託(きょうたく)する場合、その住宅の床面積が55㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数(ごうけいこすう)の算定に当たって、床面積55㎡以下の住宅2戸をもって1戸と数えることになる。
2は 正解です。なぜなら 特定住宅瑕疵担保履行法に違反していないからです。たとえば、床面積が40㎡であるときは住宅2戸をもって1戸として数えることができます。
特定住宅瑕疵担保履行法ポイント
・供託額・・・住宅供給戸数による
(床面積55㎡以下のものは2戸をもって1戸として計算)
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(ごもんめんじょかもく・どくりつぎょうせいほうじんじゅうたくきんゆうしえんきこう)
証券化支援業務(買取型)に係る貸付金(かかるかしつけりつ)の利率(りりつ)は、
貸付けに必要な資金の調達に係る金利その他の事情を勘案(かんあん)して機構が定めるため、どの金融機関においても同一の利率が適用される。
46-3
3は不正解です。なぜなら同一の利率は適用されないからです。たとえば、金融機関によって異なる場合、正解です。
住宅金融支援機構
[フラット35]
融資金利・全期間固定金利である。この金利は金融機関によって異なる
・融資手数料はかかる。この手数料は金融機関によって異なる
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47-4 5問免除科目・不当景品類
(ごもんめんじょかもく・ふとうけいひんるい)
新築分譲(ぶんじょう)マンションにおいて、パンフレットには当該マンションの全戸数(ぜんこすう)の専有面積(せんゆうめんせき)を表示したが、インターネット広告には当該マンションの全戸数の専有面積のうち、最小面積及び最大面積のみを表示した。この広告表示が不当表示(ふとうひょうじ)に問われることはない。
47-4
4は 正解です。なぜなら 不当防止法に抵触しないからです。たとえば、こちらの場合平均面積であれば不当防止法に違反します。
景表法と公正競争規約
価格
・土地の価格(または建物価格)は、1区当たりの価格(または1戸当たりの価格)を表示します。ただし、分譲宅地(分譲住宅)で、すべての価格の表示が困難なときは、最低価格と最高価格、最多価格帯、販売区画数(建物の場合、住宅の戸数)を表示できます。
→物件数が10未満のときは、最多価格帯の表示は省略できます。
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48ー2 統計(とうけい)
建築着工統計(けんちくちゃっこうとうけい)(平成29年1月公表)によれば、平成28年の持家(もちいえ)の新設着工戸数(しんちくちゃっこうこすう)は約29.2万戸となり、3年ぶりに増加に転じた。
48-2は 正解です。なぜなら 平成28年の持家の新着着工戸数は3年ぶりに約29.2万戸となり、増加しているからです。たとえば、「減少した」であれば不正解です。
49-4 5問免除科目・土地
(ごもんめんじょかもく・とち)
埋立地(うめたてち)は、一般に海面に対して比高(ひこう)を持ち、干拓地(かんたくち)に比べ(くらべ)、水害に対して危険である。
49-4
4は 不正解です。なぜなら埋立地は液状化しやすいとされているからです。たとえば、干拓地も地震のときに液状化しやすいとされています。
土地・建物
[埋立地と干拓地]
・埋立地と干拓地は、地震のときに液状化しやすく、ともに宅地としては「不向き」である
・「埋立地」は海面に対して比高(高さの差)を持つので、災害に対しては干拓地より「安全」と考えられる
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50-1 5問免除科目・建物
(ごもんめんじょかもく・たてもの)
木材の強度は、含水率(がんすいりつ)が小さい状態の方が低くなる。
50-1
1は 不正解です。なぜなら含水率が大きいと強度は高くならないからです。たとえば、木は縦の方向の強度に強いです。
土地・建物
・木材
・木材は自然のものであり、われわれ人間と同じように多くの水を含んでいます。この水を含む量を「含水率」といいます。
・木は成長していく方向、言い換えれば「縦の方向」の強度は強く、圧縮・引張りに強いという特徴があります。
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