資料 印紙税が不要な文書・課税文書 宅地建物取引士 試験 免除科目
宅地建物取引士 試験 免除科目
目次
1.税金の学習方法
2.印紙税が不要な文書とは?
3.印紙税・いくらの課税文書?
チェック項目
税金の学習では「どのような税金」の 「何」 を覚えればよいのか?
① 税金は毎年「2問」出題されており、最低でも1問は確実に得点しなければならない科目です。 税金については、下記のような各税金の仕組みについて押さえるようにしてください。
②「税金の仕組み」 とは、 「基本事項」 と 「特例」 のことです。
A. 基本事項とは、その税金は「誰が」徴収するのか?
「誰から」 徴収するのか?など、 下項のような「4パターン」の分類です。
もちろん、各税金についてすべての項目を問われることはありません。
各税金の過去の問題を確認し必要なものだけを覚えてください。
B. 特例とは、簡単にいえば 「税金を安くする」という制度です。
特例については
①「どのような場合」
②「どこから」
③「どれだけ控除」してもらえるのか?
の「3点」を押さえてください。
2.学習する税金の種類と仕組み
不動産に関する税金には数多くあります。 試験対策としては、不動産を購入してから譲渡するまでの流れに沿って、下記の税金を押さえてください。
① 不動産の購入時点
契約する段階において、契約書に印紙を貼る必要があるので印紙税がかかります。そして、不動産の登記をするのですが、この登記に必要となるのが登録免許税です。さらに、不動産を購入したことによる不動産取得税も課税されます。
② 不動産の保有時点
不動産は所有しているだけでも税金がかかります。この税金が固定資産税と都市計画税です。
③ 不動産を譲渡した時点
最後は所得税です。所得には様々なものがありますが、ここでは不動産の譲渡による所得、「譲渡所得」について押さえておきましょう。
*そのほか、ローンで住宅を取得した場合、「住宅ローン控除」を受けることができ、頭金等を親からもらえば「贈与税」が課税されます。
【基本事項】
1 |
課税主体 |
この税金は「誰が」徴収するのか? |
|
課税客体 |
この税金は「何に対して」支払うのか? |
|
納税義務者 |
この税金は「誰から」徴収するのか? |
2 |
課税標準 |
不動産の「どの価格」を基準(ベース)とするのか? |
|
税率 |
どのくらい・「何パーセント」支払うのか? |
3 |
納期 |
「いつ」納めるのか? |
|
徴収方法 |
「どのように」納めるのか? |
4 |
免税点 |
どのような場合に「税金が免除」されるのか? |
|
非課税 |
「税金がかからない」ものとは? |
【特例】
課税標準
・これを安くすることを標準控除という
×
税率
・これを安くすることを軽減税率という
||(イコール)
稅額
・これを安くすることを税額控除(=減額)という
ポイント |
①【要件】 どのような「要件」を満たせばよいのか? ↓ ②【どこから】 課税標準・税率・税額の「どこから」控除(=軽減)されるのか? ↓ ③【どれだけ】「どれだけ」控除(軽減)されるのか? |
税金・不動産の契約書等で「印紙が不要」な文書とは?
チェック項目
不動産の契約書等で「印紙が不要」な文書とは?
1.印紙の基本事項
不動産取引において、印紙を貼る必要がある文書(=課税文書) にはとのようなものがあるのでしょうか? それには下記の「2種類」に分かれます。
① 契約書 (契約書には念書や覚書なども含まれる)
② 受取書 (契約の結果、金銭の受取りに関するもの(=領収書))
印紙税については、まず下項の「基本事項」 を覚えておきましょう。
2. 印紙が「不要」な契約書や受取書等
契約書や受取書であっても、印紙が不要なものもあります。これを非課税文書といいます。ここでは、「印紙を貼る必要があるのか否か」を判別できるようにしてください。
印紙が不要な文書は、下記の「3パターン」です。
①(契約書に関するもの)
・建物の賃貸借契約書(土地の賃貸借契約書は必要なので注意!)
・委任に関する契約書(媒介契約書・委任状等)
・抵当権設定に関する契約書
② (受取書=領収書)
・営業に関しない受取書(個人が自宅を売却した場合の領収書等)
・5万円未満の領収書(=5万円は必要)
・公益財団法人・・・個人と同じ扱い
③ (国、地方公共団体など)
国、地方公共団体(県・市町村等)、地方住宅供給公社等の作成する文書は非課税です。
< 「契約書」か「受取書(=領収書)」かを確認すること!>
① 契約書の問題が受取書の問題かを確認する。
② 「印紙を貼る必要があるか否か」を確認する。
課税主体 ・誰が
|
国(3文字の税金は国税が多い。) 例 ・所得税 ・法人税など |
納税義務者 ・誰から |
① 課税文書の作成者である ② 1つの課税文書を2人以上で共同作成した場合は、これらの者は連帯納付義務を負う |
印紙を貼る場合の注意事項 |
① 仮契約書や仮領収書あるいは正本・副本の契約書を作成する場合には、その副本にも印紙を貼る必要がある。 ② 1つの契約で、契約当事者が2通以上作成する場合、あるいは立会人、保証人が持つものとして作成する場合も、それぞれ契約書に印紙を貼る必要がある。 ③ 印紙を貼る場合、課税文書と印紙の彩紋にかけて、自己またはその代理人、使用人その他の従業員の印章または署名で判明に消印しなければならない。 |
【国等と私人が共同で作成した場合】
① 国等と私人とが共同して作成し互いに取り交わす契約書のうち、私人等が保存するものは国等が作成したとみなされ非課税文書となる。
② 国等が保存する文書は私人が作成した文書とみなされ課税文書となり、印紙を貼る必要がある。
国等が作成 → 私人が保管
・印紙貼らない ・印紙貼らない
私人が作成 → 国等が保管
・印紙貼る ・印紙貼る
ポイント
① 「国等が保管」するものには印紙が必要となる。
② 「私人が保管」するものには印紙が不要ということ。
税金 いくらの課税文書?
チェック項目
「いくらの課税文書」とみなすのか?
前項の非課税文書以外の契約書や受取書には印紙が必要です。代表的なものとして、契約書であれば売買契約書、請負契約書です。
約書や地上権の設定に関する契約書等もあります。 のとして、そのほか、交換契約書や地上権の設定に関する契約書等もあります。
1. 課税標準は「どの金額?」
① 試験では「いくらの印紙を貼るのか?」では 「いくらの課税文書」とみなすのか?が問われます。
例えば、「1億円の売買契約書を8.000万円の売買契約書に変更する場合、この契約書の金額はいくらの課税文書とみなすのか?」ということが問われます。これらのこれらのケースにおける金額は、下項に記載していますので、必ず覚えてください
② 受取書については特に問題はありませんが、契約書について売買契約書だけでなく、「変更の契約書」や「交換の契約書」など、それぞれの契約金額の見方を覚えてください。
2. 印紙を貼らなかった場合等
課税文書にもかかわらず印紙を貼らなかった場合や消印しなかったら下記のように過怠税が課せられることになります。
① 印紙を貼らなかった場合
貼らなかった印紙金額とその2倍に相当する金額の合計の過怠税が課されます(=3倍の過怠税が課せられる。自己申告したときは1.1倍)。
② 印紙は貼ったが、消印を忘れた場合
消印のない印紙の額面金額相当分の過怠税が課されます(=つまり、額面金額と同額の過怠税が課せられる)。
【試験の落とし穴】
<契約書に消費税および地方消費税額が記載されている場合>
消費税等は記載金額に含めない。
例)建物の建築請負の場合、請負金額2,160万円(消費税および地方消費税160万円)の記載金額は2,000万円となる。
【課税標準は「いくら?】
売買 |
・売買金額(単価と数量による記載で、契約金額などの計算が可能であれば、その計算により算出した金額) (下記注1) |
交換 |
・双方の金額が記載されている場合→「高いほう」の金額 ・交換差金のみ記載されている場合→「交換差金」 |
変更 |
・契約金額を増加させる場合→増加金額 ・契約金額を減少させる場合→記載金額がないものとして課税 (下記注2) |
贈与 |
・記載金額がないものとして課税(税額200円) (下記注2)
|
地上権または土地の賃借権
|
・権利金、礼金など ・(=後日返還されないもの)→その額を記載金額として扱う |
・賃 料 ・敷金 ・保証金 ・(=後日返還されるもの)→ 記載金額のないものとして扱う |
(注1) 解説
1つの契約書に不動産の売買契約(譲渡契約)と請負契約が併記されている場合、原則として、売買契約にかかる文書とみなす。ただし、請負金額が大きいときは請負契約にかかる文書とみなす。
↓
(高いほうの金額を採用するということ)
例)
・土地4,000万円と建物3,000万円の譲渡契約→7,000万円(合計額)
・土地4,000万円の譲渡と建物3,000万円の請負の契約 →4,000万円(高いほうの額)
(注2) 解説
「記載金額がないものとして課税」とは、非課税ではなく課税である。この場合の印紙税は200円 (200円の印紙を貼ればよいということ)
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