民法/序章/制限行為能力者/取消権/取消しの効果/ 宅地建物取引士 試験 民法改正宅建

宅地建物取引士 試験 民法

 

民法改正宅建

           

             目次
           1.民法       序章/用語
           2.民法 重要用語      表
           3.制限行為能力者/  意思能力
           4.制限行為能力者/     取消権
           5.制限行為能力者/取消しの効果

 

 

民法とは

チェック項目
   「基本的な用語」をまず押さえておこう! 

1.   宅建試験で出題される「権利関係」とは?
  宅建試験で出題される「権利関係」は、民法だけでなく、民法を補完する法律(特別法)も出題されます。宅建試験の特別法は「借地借家法」が2問(借地関係と借家関係各1問)、「区分所有法」が1問、「不動産登記法」 が1問が例年出題されています(民法10問 特別法4問)。

 


2.「任意規定」と「強行規定」


①  任意規定は、当事者間において法律と異なる取決めをすることができる規定を指しますが。強行規定は、その法律上の定めに従わなければならない規定を指します。


② 「民法」では、任意規定が多いので、「特約」を定めるものがありますが、特別法である借地借家法は強行規定なので、当事者間で「借主」に 不利な特約は「無効」となります。

 

 

 

 

2.  民法の学習方法


①   法律の学習では、まず最初に基本的な「法律用語」を押さえる必要があります。条文や判例を覚える以前に、その言葉が「何を説明しているのか?」がわからなければ、条文を正しく理解することはできません。


②  法律の学習では、「何が問題なのか(論点)」を把握することが最も重要です。もし、何も問題がなければ法律が登場する余地はないのです。


③  法律上の問題が把握できれば、最後にその問題について、「条文」や 「判例」では「どのように」定めているのかを覚えればよいのです。

 

 

 

「用語」を理解する(下表の「重要用語」を説明できるようにする)
       ↓
「問題点」を把握する(何が問題(論点)かを把握する)

「条文・判例」を覚える(条文や判例を理解し、覚える)


本年度の試験より「民法」が大幅に改正されています。特に重要な改正には法改正の印をつけています。

 

 

 

 

 

 

[重要用語]

善意と悪意

・ 法律上の「善意」とは、ある事実や事情について「知らない」ということ

・「悪意」とは、ある事実や事情について「知っている」こと

・「善意の第三者とは、その事情などは知らない第三者のこと

 

故意と過失

・ 「故意」とは「わざと」ということ

・「過失」とは「不注意で、落ち度で」という意味

 

・過失には「軽過失」と「重過失」がある

 

 

天然果実と法定果実

・「天然果実」とは、米や麦などのように、その物の用法によって生み出される物

・「法定果実」とは、家賃や地代などのように、物の使用対価として受けるべき金銭などをいう

包括承継と特定承継

・ 「包括承継」とは、相続や合併などにより、他人の権利義務を一括して引き継ぐ承継をいい、「特定承継」とは、売買や贈与などにより他人の権利を個々に引き継ぐことをいう

嫡出子(ちゃくしゅつし)と非嫡出子

・「嫡出子」とは、正式な婚姻関係にある男女から生まれた子をいう

・「非嫡出子」とは、嫡出子以外の子をいう

・  非嫡出子は一般的に認知された子のこと

 

推定するとみなす

・ 「推定する」とは、法律により判断を下すが、反対の証拠があれば、その判断を覆すことができるという意味

・「みなす」とは、たとえ反対の証拠があっても、法律の判断を覆すことができないという意味

 

第三者

契約の当事者および相続人等以外の者をいう

例) AがBから土地を購入し、それをCに転売した場合、ABの契約については、ABが当事者となりCが第三者となる

 

無効と取消し

・ 「無効」とは、当初からその契約は無効となる

・「取消し」は、取り消すことにより、契約時にさかのぼって無効となる

・「無効」や「取消」のほかに契約を「解除」という用語も登場する。この解除は、解除する事由にもよるが、原則として、解除することにより、契約はさかのぼってなくなる。

 

 

 

 

 

 

制限行為能力者制度  制限行為能力者/意思能力

1.  権利と義務
  売買契約が成立すると、買主は 「その物を引き渡しなさい」と言える「権利」が発生します。しかし、それと同時に「お金を支払わなければならならない」という「義務」も発生します(商品を売った人は、その逆の権利と義務)。

 

2. 権利能力
 「権利能力」とは、権利や義務の主体(資格)となることができる能力をいいます。この権利能力は「人について認められています。民法における 「人」には、自然人(人間)と法人があります。


① 「自然人」であれば、たとえ幼児であっても権利能力が認められます。
②「法人」の場合、外見上は法人に見えるような団体であっても、法律上の法人でなければ権利能力は認められません。
・権利能力のない団体を「権利能力のなき社団」という。

 

 

3.  意思能力
 「意思能力」とは、法律行為を行うために必要な「判断能力」をいいます。 前述したように、たとえ幼児であっても権利能力を有するので、契約の当事 者となることはできます。しかし、このような判断能力のない人(幼児など)が、不利な契約を行った場合、その内容を履行しなければならないのであれば、不都合が生じます。そこで、この判断能力のない人を意思無能力者といい、この「意思無能力者」が行った契約は「無効」としています。


・意思無能力者が行った契約→「無効」

 

 

 

 

 

4.   行為能力
  「行為能力」とは、誰の承諾も得ずに「単独」で有効に「契約等」ができる能力をいいます。契約時において、いちいち意思無能力であったことを証明することは困難です。そこで、行為能力を制限され者を制限行為能力者と定め、この「制限行為能力者」が「単独」で行った契約は「取り消すことができます。
・制限行為能力者が「単独」で行った契約→「取消し」できる。


[権利能力・意思能力・行為能力]

権利能力
  「権利能力」とは、権利や義務の「主体」となる能力、いわば、法律の舞台に立つことができる能力といえる。
・権利能力は「自然人」と「法人」について認められる
・「自然人」は出生によりこの権利能力を取得し、死亡によって失う


意思能力
  「意思能力」とは、法律行為(契約など)を行うために必要な「判断能力」のことである
・幼児や泥酔者など、この能力が欠けている者(意思無能力者)が行った契約などの法律行為は「無効」となる


行為能力
  「行為能力」とは、「単独」で「有効」に法律行為(契約など)を行うことができる能力のことである。
・ 制限行為能力者が単独で行った行為は、取り消すことができる (制限行為能力者制度は、この行為能力の問題である)

[権利能力・意思能力・行為能力の具体例]

 事例. <Aが自己所有する家屋をBに3,000万円で売却する契約>
   3.000万円
 A――――――――→B


権利能力がない場合
 (上記Aに「権利能力」がなければどうなる?)
権利能力が自然人(人間)であれば、たとえAが幼児であっても権利の主体となることはできる(=契約の当事者となることができる)
※Aが権利能力がない社団であれば、契約は有効に成立しない。

 


意思能力がない場合
 (上記Aが幼児などの「意思無能力者」であればどうなる?)
幼児や泥酔者は「意思無能力者」である。したがって、Aは、この売買契約の「無効」を主張することができる。

 

 

 

制限行為能力者の場合
 (上記Aが、「制限行為能力者」であればどうなる?)
未成年者は「制限行為能力者」に該当する。
したがって、Aはこの契約を「取り消す」ことができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

制限行為能力者制度   制限行為能力者の取消権

チェック項目
制限行為能力者は、「どのような場合」「取消し」できる?

1.   制限行為能力者
  制限行為能力者は、「未成年者」「成年被後見人」「被保佐人」「被補助人」の4つに分けられます。このうち、成年被後見人・被保佐人・被補助人は精神上の障害の事由により「事理を弁識」する能力の程度により判別され家庭裁判所の審判を受けます。

①  未成年者
 未成年者とは、20歳未満の者をいいます。ただし、男は18歳、女16歳であれば婚姻することができ、婚姻すれば成年者とみなされ、この者が「単独」で行っても、その契約を取消しすることはできません。
・未成年者が「婚姻」をする場合、父母の「同意」を得なければならないが、父母一方が同意しないときは、他の一方の同意だけでよい。

 


②   成年被後見人
精神上の障害により事理を弁識する能力を「欠く」常況にあり、かつ、 家庭裁判所により「後見開始の審判」を受けた者をいいます。


③  被保佐人
精神上の障害により事理を弁識する能力が「著しく不十分」で、かつ、家庭裁判所から「保佐開始の審判」を受けた者をいいます。


④  被補助人
精神上の障害により、事理を弁識する能力が「不十分」な者で、かつ、家庭裁判所から「補助開始の審判」を受けた者をいいます。

 

 

2.    制限行為能力者の「取消権」
①   制限行為能力者とは、上記1.のように、「行為能力」が制限された者です。これらの者が「単独」で一定の財産上の行為をした場合、その行為を「取り消す」ことができます(「無効」ではない点に注意!)。


②  各制限行為能力者には、「保護する者」がつきます。 そして、保護する者が「一定の行為」を行った場合、契約は完全に有効となります。


③ 制限行為能力者が行った契約が完全に有効になれば、その契約は、「取消し」することはできません。
ここでは、保護する者が「どのような行為」をすれば、契約を取消しできなくなるのか? 「下表」を見ながら押さえておこう。


[制限行為能力者が「取消し」できる場合とは?]

未成年者

「未成年者」を保護する者として、親権者(父母)や後見人が法定代理人としてつけられる。法定代理人は未成年者が行う契約に「同意」したり「代理」して行うことができる。

・未成年者の行う契約について、法定代理人の「同意」や「代理」を得ないで行うとその契約を「取消し」できる。 ただし、未成年者が下記の「3つ」の行為については、「単独」で行っても、その行為を取り消すことができない

a.   もっぱら利益を得(贈与を受ける等)、または義務を免れるだけの行為

b. 法定代理人から許される財産の処分行為(こづかい等)

c.  法定代理人から許される営業範囲内での行為

 

成年被後見人

「成年被後見人」には、保護する者として「成年後見人」が選任される。

この成年後見人は成年被後見人に代理して契約を行う。

 ・ 成年後見人の「同意」を得ても、その契約を取り消すことができる

・ ただし、成年被後見人は、「日用品の購入その他日常生活に関する行為」に関することは「単独」ですることができる

・「成年後見人」が代理し、成年被後見人の「居住」の用に供する建物またはその敷地を売却、賃貸、抵当権の設定等をする場合、家庭裁判所の許可を得なければならない

・この成年後見人の「選任」は、「家庭裁判所」が後見開始の審判をするときに、「職権」で選任する

(保佐人や補助人も「家庭裁判所」が「職権」で選任する)

 

被保佐人

「被保佐人」には、保護する者として「保佐人」が選任され、被保佐人は下記の行為を保佐人の「同意」を得て行う

 ・保佐人の同意を得ずに行うと、その行為を取り消すことができる

①  不動産の売買、不動産に抵当権を設定すること

②   借財又は保証をすること

③  相続を承認または放棄すること、遺産分割をすること

④  新築・増築・改築・大修繕のための請負契約

⑤ 長期の賃貸借契約(山林10年、その他の土地5年、建物3年を超える)

⑥ その他家庭裁判所が指定した行為など

・上記以外の行為を被保佐人が単独で行っても取り消すことはできない

 

被補助人

「被補助人」に、保護する者として「補助人」が選任される。被補助人が一定の財産上の行為(=契約等)を補助人の同意を得ずに行うと、その行為を取り消すことができる

 

・一定の財産上の行為とは、被保佐人が制限されている行為の一部に限られる

 

 

 

 

 

 

 

制限行為能力者制度の取消しの効果

チェック項目
  「誰が」取り消すことができる?

1.   取消権者
   制限行為能力者が取り消すことができる行為を行った場合、「誰が」その法律行為を取り消せるのでしょうか?この取消権者は制限行為能力者である「本人」および「保護する者」です。例えば、未成年者の場合、未成年者とそのものの法定代理人(親権者等)となります。

 要するに、制限行為能力者サイドからは常に取消しができるということです。


・制限行為能力者と契約した「相手方」には取消権がないので注意!

 


2.  取消しの効果
 「取消し」をすれば、その法律行為ははじめにさかのぼって「無効」となり、契約の当事者は互いに「返還義務」を負います。ここで問題となるのは返還すべき物をすでに相手方が転売していた場合、その第三者にも「返してくれ!」と言えるのか?ということです。

 通常、第三者が善意であれば保護される規定が多いのですが、「制限行為能力者」の場合、「第三者」が「善意」であっても対抗することができるとしています。

3.  取引の相手方の保護
 制限行為能力者と契約した「相手方」には、下記の「2つ」の保護する規定を設けています。

 


①   制限行為能力者が、自分は行為能力者であると「詐術」を用いて行った行為は取り消すことができません。
②  制限行為能力者の相手方は、「1カ月以上」の期間を定めて、制限行為能力者サイドに「催告」することができます。そして、保護する者が 「追認」すれば、完全にその法律行為は「有効」となります。

<催告権については、下表を見ながら下記の「2点」を押さえてください>
 (1)   相手方は「誰に」催告するのか
   (2)   催告しても確答がなければ「どうなる」のか

 

[制限行為能力者制度のまとめ]

 

未成年者

成年被後見人

被保佐人

被補助人

制限行為能力者

20歳未満

・弁識を欠く

・弁識を欠く状況

弁識が著しく不十分

弁識が不十分

保護する人

法定代理人(親権者等)

法定代理人(成年後見人)

保佐人

補助人 

保護する者の権利

同意

×

代理

・家庭裁判所において指定された行為のみ代理権あり

・家庭裁判所において指定された行為のみ代理権あり

取消し

追認

制限行為能力者が単独でできる行為

法定代理人が許された営業範囲内での行為など

日常行為に関する行為

 

・上記以外はなし

①日常生活に関する行為

②民法13条1項の行為以外

原則すべての行為

・特定の行為(民法13条1項の行為の一部以外)

 

 

 

 

 

[「誰に」催告をするのか]

「催告」する相手

本人

・未成年者

・成年被後見人

   ↓

催告は「無効」となる

・被保佐人

・被補助人でもOK

   ↓

確答がなければ「追認拒絶」となる

保護者

・未成年者

・成年被後見人

の法定代理人に対する催告

   ↓

確答がなければ「追認」となる

・保佐人

・補助人

に対する催告

   ↓

確答がなければ「追認」となる

要注意

「行為能力者」となった後に催告するのは、すべて「本人」に対して催告する

        ↓

確答がなければ「追認」となる

 

体調に気を付けて

合格まで頑張ってください。

応援しています。

 

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