代理の基本的事項~表見代理 宅建 民法

こんにちは。(@kirinaccount)です。

宅地建物取引士 試験 民法

宅建 民法

 

                みだし
          1.代理の基本的事項
          2.代理の「瑕疵」と「効果」
          3.代理権 復代理 双方代理
          4.代理 無権代理/追認/追認拒絶
          5.代理 表見代理/表見代理の成立

 

 

 

代理 ① 代理の基本的事項

チェック項目
・代理人は「誰が」なれる?

・「どのような権限」がある?

 

1.  代理
①  契約などの法律行為は自分自身が行い(行為)、その結果(効果)も自分自身に返ってきます。しかし、下記のような場合には、その法律行為を他の者に依頼することになります。


a  未成年者など、法律的に行為が制限されている者に代わって行う
b  専門家が本人に代わって行う(不動産の売却など)

 

 


 このように代理とは、「代理人が本人のためにすることを示して相手方に意思表示(行為)をし、または意思表示を受けることによって、その「効果」を直接本人に帰属させる制度」をいいます。 上記 a を「法定代理」、b を「任意代理」という。

 

 

 

2. 代理人
代理人は「誰が」なれるのでしょうか?


  任意代理であれば、「未成年者」 でもなることができます。つまり、不利な契約をしてもその効果は本人に帰属し、代理人である未成年者は何ら損害を被らないからです。 未成年者の代理行為について、「本人」は代理人が未成年者であることを理由に、契約を取り消すことはできない。

 

3. 代理人の権限と消滅


①  代理人の権限
 代理権は与えられているが、「代理権の範囲を定めていなかった」または「不明」なとき、代理人には「どこまで」の代理権限があるのでしょうか?
この場合、代理権の範囲は下頁のように定められています。下表移動 

 


②  代理権の消滅

 任意代理の場合は、「委任の終了」によって代理権は消滅しますが、下記の事由によっても当然に消滅します。

本人の事由|死亡、破産手続開始の決定
代理人の事由|死亡、破産手続開始の決定、後見開始の審判
・「本人」が、後見開始の審判を受けても代理権は消滅しない!


[代理の流れ]


「代理」とは


 (本人)
   A
 ① ↓  ↖③
   B ―――→C(相手方)
(代理人)  ②

 

代理権の授与行為(上図①)
  AがBに委任状等を交付するなどして代理権を与えること (この代理権がなければ無権代理行為となり、効果は本人に帰属しない)

 

代理行為(上図②)

 BはCに対して「自分はAの代理人B」である旨を表示(=顕名) (この意思表示がなければ、原則として、本人Aに契約の効果は及ばない)

代理効果(上図③)

 代理行為の効果は、代理人Bではなく、本人であるAに直接帰属する

 

 

 

 

[代理人には「どのような権限」があるのか?]

 

内容

具体例

保存行為

財産の現状を維持する行為

家屋を修繕するための契約など

利用制限

財産について収益を図る行為

土地や建物の貸付けや現金を預金するなど

改良行為

代理の目的物や権利の価値を増加させる行為

電気・ガス設備の取付けなど

注意

「利用行為」「改良行為」については、代理の目的物や権利の性質を変えない範囲で認められている

 

 

 

 

 

代理 ② 代理の「行為」と「効果」

チェック項目
代理の「瑕疵」とは何か?


①  顕名主義(行為の問題)
  代理人が「代理行為」を行う場合、 代理人は「本人」 のためにすることを示して行わなければなりません。簡単にいえば、「私は○○の代理人として来ました」と示すのです。顕名主義まで移動

 


 代理人が「本人の代理人」であることを示さなかった場合、「相手方」が知っていたか(悪意)、または知り得る状態であったとき(有過失) 外は、代理の効果は本人には帰属せず、 代理人自身の行為とみなされます 。


a.  「相手方」が本人の代理人であることについて、知っていた場合 (悪意)または知り得る状態であった場合(有過失)
→「本人」との契約となる(下事例では、ACの契約となる/代理行為の瑕疵まで移動)


b. 「相手方」が本人の代理人であることについて、「善意無過失」の場合 「代理人」との契約となる(下事例では、BCの契約となる代理行為の瑕疵まで移動)

 


②  代理行為の瑕疵(効果の問題)
 「代理」とは、「行為」は代理人が行い、「効果」は本人に帰属する制度です。


したがって、代理行為に瑕疵があった場合、下記のようになります。


a.   代理行為に詐欺や強迫等があったか否かは、「行為」に関することなので、「代理人」について判断します。


b.  代理行為の結果として、その「効果」は「本人に帰属」します。


・取消権や解除権等の「効果」は「本人に帰属」する(=本人が取消し等ができるのであって、代理人ができるのではない)。


③  代理行為の瑕疵の具体例
 代理行為の具体例として、下頁の事例・代理行為の瑕疵を見ながら説明しましょう。


もし、代理人BがCに欺さ(だまさ)れて契約した場合、詐欺があったか否かは、代理人Bについて判断します(行為の問題)。


その結果、詐欺であれば、 本人Aが契約を取り消すことができるのです(効果の問題)。

 

 ただし、特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人自身が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人が悪意や有過失であれば、「代理人」が知らなかったことを主張できません。

[顕名主義]

事例(1)


         (本人) A
      |   (顕名)
 (代理人)B ―――――→ C(相手方)
    
解説
顕名主義
Bが代理行為を行う場合、BはCに対して「Aの代理人B」である旨を示さなければならない

問題点
代理人Bが本人Aの代理人であることを名乗らずに相手方Cと契約した場合(=顕名しなかった)、相手方CがBに代理権があることに「善意無過失かどうか?」により、下記のように効果が異なる

・相手方Cが善意無過失の場合
BとCの契約となる(=代理人との契約)


・相手方Cが悪意、または有過失の場合
AとCの契約となる(=本人との契約)

 

 

 

 

 

[代理行為の瑕疵]

事例(2)

 (取消権はAにある) →      A(本人)
              |
              |
(詐欺か否かはBで判断する) B←――×―――C(相手方)           

                 (詐欺)

解説
①    相手方Cが代理人Bと契約した場合、「詐欺があったか否か?」については「行為」に関する問題であり、「代理人Bについて判断する」

② 詐欺であることが判明したときは、詐欺に基づく取消権は代理人Bではなく、取り消すか否かは「効果」に関する問題であり、「本人Aが主張することができる」ことになる

 

 

 

 

 

 

 



代理 ③ 復代理

チェック項目
代理人は「どのような場合」に選任できるのか?

1. 自己契約・双方代理
 「自己契約」とは、代理人が相手方になることをいい、「双方代理」とは双方の代理人であることをいいます。

 

どちらも原則として「無権代理」
となり、その契約の効果は本人に帰属しません。しかし、「本人の許諾」がある場合、単なる 「債務の履行」は許されます。

 

 

2. 復代理人の立場
 「代理」とは、代理人が他の者をさらに代理人として「選任し、代理人の権限の範囲内で代理行為を行わせることをいいます。この選任された者を「復代理人」といい、下記のような立場となります。


①  復代理人は代理人の代理ではなく「本人の代理人」です。したがって復代理人の行為は直接「本人」に帰属します。

② 代理人が復代理人を選任しても、代理人の代理権は「消滅」しません。

③ 復代理人の権限は代理人の代理権の範囲内であり、復代理人は代理人以上の権限はありません。
・代理人の代理権が「消滅」すれば復代理人の代理権も「消滅」する。

 


3. 復代理人の「選任」
 復代理人はどのような場合に「選任」できるのか?


①   法定代理の場合、法定代理人は常に復代理人を選任できます。


② 任意代理の場合は、下記の「いずれか」であれば、復代理人を選任できます。
a.   「本人の許諾」を得たとき
b.   「やむを得ない事由」があるとき

4.   代理人の責任        法改正


復代理人の行為について、代理人は「どのような責任」を負うのか?


① 「法定代理」の場合、復代理人を常に選任できる代わりに、復代理人の行為 について全責任を負います。ただし、やむを得ない事由で選任した場合、 責任は選任と監督だけ負います。


② 「任意代理」の場合も、復代理人の行為について「全責任」を負います。また、法定代理とは異なり、やむを得ない事由で復代理人を選任しても、「全責任」を負います。


この内容については「下項」の事例を用いて覚えてください。

 

 


[自己契約・双方代理とは]


 自己契約
 A (本人)
 |
 B(代理人)ー-C(相手方)


 双方代理

  契約
A―――――C
 \  /
    B
(・A の代理人
   ・C の代理人)

 

 

 

原則
①  「自己契約」や「双方代理」は、原則として「禁止」されている


② 違反した場合は、「無権代理」となり、契約の効果は本人に帰属しない
例外
自己契約や双方代理は、下記の場合は許される(有効な代理行為)
a  本人があらかじめ許諾している場合
b  本人に不利益を生じさせない単なる債務の履行(移転登記の申請など)

 

 

 

 

[任意代理人の責任]

事例

   A(本人)
   | ↓
   |(責任追及)
   ↓        代理行為
   B(代理人)――――――→C(相手方)
   |   ↓
   |(復任権) ↗
   D (復代理人)

責任

 

法定代理

・法定代理人は、復代理人についての「全責任」を負う

・やむを得ない事由により復代理人を選任したときは、「選任・監督」 だけ責任を負う

 

任意代理

・任意代理人は、復代理人についての「全責任を負う (=債務不履行の要件を満たす場合に責任を負う)

 

 

 

 

 

 

 

 

代理 無権代理

チェック項目
無権代理人が行った行為はどうなる?

1.  無権代理
追認
①  無権代理とは、代理権がないのに代理人と称して代理行為を行うことをいいます。
本人が知らない間になされた代理行為、つまり無権代理人が行った行為は無効(効果の不帰属)となります。


② 無権代理行為について、本人が「それでもよい」 と言えば有効な代理行為となります。この行為を「追認」といいます。無権代理人の行為を本人が追認すれば最初から通常の代理行為となります (遡及効)。

 


③「追認」は「無権代理人」でも「相手方」でも、「どちらに対しても」することができます。


④ 「本人」は「追認」することも、追認を「拒絶」することもできますが、「下頁」の事例のように、追認を拒絶できなくなることもあります (下頁の事例は、重要な「判例」なので覚えておこう!)。

 

 

2.  無権代理(相手方の保護)


   「無権代理人」と取引した「相手方」はどうなるのでしょう? 民法では、 無権代理人の相手方に対し、下記のような権利を認めています。
①    催告権
    相手方は「本人」に対し、相当な期間を定めて追認するかどうかについて「催告」することができます(相手方が「悪意」でもできる)。
期間内に確答がない場合は、追認を拒絶したことになる。

 

 

②   取消権
   相手方が「善意」であれば契約を「取り消す」ことができます。ただし、これは本人が追認する「前」にしなければなりません。
本人が無権代理人に対して追認の意思表示を行っても、相手方が 「善意」であれば、相手方はまだ取消権を主張することができる。

 


③ 履行の請求または損害賠償請求
   相手方が「善意無過失」であり、かつ、無権代理人が本人から追認を得られなかった場合、無権代理人に対して「履行の請求」または「損害賠償の請求」をすることができます。 無権代理人が制限行為能力者のときには、この請求はできない。

 


[追認?それとも追認拒絶?]
事例
   (本人)
  (親)A       ①A(親)が死亡した場合(=本人が死亡)
     |     ②B(子)が死亡した場合(=無権代理人が死亡)
     |
     ↓
  (子)B
   (無権代理人)―――――→C(相手方)

 

 

 

①Aが死亡

(親が死亡)


 

a  無権代理人Bが本人Aを「単独」で相続すれば、「追認」したことになる。つまり、自分(=無権代理人)のしたことは、拒絶できないということ。

 

・「無権代理人」が本人を単独で相続→追認となる

b 「無権代理人」Bが本人Aを他の共同相続人とともに「共同」で相続するときは、無権代理行為の追認は「共同相続人全員」が行わなければならない

・他の共同相続人全員が追認しない限り、無権代理人の相続分 についても当然に有効とはならない(判例)

②Bが死亡

(子が死亡)


 

a 「本人」 Aが無権代理人Bを「単独」で相続した場合、追認を「拒絶」することができる。つまり、子の行為を追認しなくてもよいということ

・「本人」が無権代理人を単独で相続→拒絶できる

b上記の場合でも、本人が無権代理人の地位を相続したことになるので、相手方は無権代理人を相続し

た本人に対して、無権代理人の責任を追及することができる

 

 

[無権代理人の相手方に対する、保護規定]・参考資料

 

相手方が悪意

相手方は善意

相手方が善意無過失

催告権

取消権

×

履行の請求または損害賠償請求

×

×

 

 

 

 

 

代理 ⑤表見代理

チェック項目
・本人の「帰責事由」+相手方が「善意無過失」=表見代理

1.  表見代理と無権代理
  「表見代理」とは、相手方に対して「表向き」は代理権があるようにみえるが、実際には代理権がないという 「無権代理」の一種です。

 

 


2. 表見代理の「効果」
 「表見代理」は、通常の無権代理と異なり、本人にも代理権があると思わせたという責任(帰責事由) があるので、「本人」にも責任が及びます。したがって、表見代理が「成立」すると、通常の無権代理とは異なり、有権代理と同じように「有効」な契約となります。

 

 

3. 表見代理の「成立」する要件
 表見代理には下記の「3パターン」があります(具体例は下項目を参照)

①    代理権授与表示による表見代理(下頁パターン1)
  代理権を与える旨の表示はしたが、実際には表示した代理権を与えていなかった場合、相手方は「善意無過失」(正当な理由がある)であれば、 表見代理を主張することができます。

② 代理権限外の行為の表見代理(下頁パターン2)
何らかの代理権を与えられているが、その代理権の範囲を越えて代理行為を行った場合、相手方は「善意無過失」であれば、表見代理を主張することができます。

③ 代理権消滅後の表見代理(下頁パターン3)
いままであった代理権が消滅したにもかかわらず、代理権消滅後もその者が代理行為を行った場合、相手方は「善意無過失」であれば、表見代理 を主張することができます。
<表見代理が「成立」した場合> 表見代理が成立する場合でも、相手方は通常の無権代理を主張することもできる。つまり、「選択適用」できる(判例)。

[表見代理の「3つ」のパターン]
事例

  A(本人)
  |
  |
  |   売買契約
  B――――――――――→C(相手方)
 (無権代理)

 


解説
(パターン1)     代理権授与表示の例

    AはCに対して、A所有の建物の売却についてBに代理権を与える旨の表示をしたが、実際は与えていなかった
→Cは、そのことを知らされず、また、過失なくBと売買契約を行った

(パターン2)    代理権限外の例
   AはBに建物を担保として抵当権を設定することの代理権を与えていたが、BはCと、この建物の売買契約を行った
→Cはそのことを知らず、また知らないことに過失もなかった(正当な理由がある)

(パターン3)    代理権消滅後の例
   Aは法人であり、BはA社の代表取締役であったが、すでに辞任していた。
その後、BはCとA社の建物の売買契約を行った。CはBがA社を辞めたことについて知らされていなかった。
→CはBがA社の代表取締役であると過失なく信じていた

 

 

 

 

[表見代理権の成立する「公式」]

要件

①    代理権授与の表示を行った場合

②   代理権限外の行為を行った場合

③   代理権消滅後に行為を行った場合

 

+相手方が善意無過失=表見代理

 

効果

・表見代理を主張する(本人に対して引渡し等を主張)

・表見代理を主張せず、無権代理の権利を主張

 

 

体調に気を付けて

合格まで頑張ってください。

応援しています。

 

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