資料 担保制度等/保証/保証債務の性質/連帯保証/連帯債務  民法改正宅建

宅地建物取引士 試験 民法

 

民法改正宅建

 

担保制度

連帯保証

連帯債務

 

 

             目次

          1.保証契約とは?

          2.保証債務の性質

          3.担保制度/連帯保証

          4.担保制度/連帯債務

 

 

 

 

 

 

担保制度等  ① 保証契約とは?

チェック項目

・保証人には「誰」がなれる?

・「どこまで」保証するのか?

 

 

1.  保証契約

 「保証契約」とは、「本来の債務者が債務の履行ができない場合、保証人が代わって、その債務を履行する」という契約です。

この場合、本来の債務のことを「主たる債務」といい、この債務者を主たる債務者といいます。

 

 

2. 保証契約の特徴

 保証人が負う債務を「保証債務」といいます。この保証契約は、債権者保証人との間でなされる契約です(債務者との契約ではありません)。保証契約には、下記のような特徴があります。

 

① 主たる債務者の「意思に反する」保証契約もすることができます。

②    保証契約についてだけ「違約金」をつけることができます。

③ 保証債務の範囲は元本だけではなく、「利息」や「違約金」、さらに損害賠償など主たる債務に関するすべてを「含み」ます。

・ただし、主たる債務より重くなることはありません

 

④ 保証契約は、「書面」かその内容を記録した「電磁的記録」でしなければ、その効力は生じません(保証契約は口頭では効力が生じない)。

 

 

 

 

3. 保証人の資格

保証人の「資格」について制限はなく、未成年者(ただし親の同意が必要)が保証人になることもできます。したがって、保証人が未成年者であることを理由に、契約を取消しすることはできません(ただし、主たる債務者が保証人を立てる義務がある場合は下頁参照)。

 

 

4. 分別の利益

 「分別の利益」とは、主たる債務について保証人が「複数人」いる場合、各保証人は保証人の「頭数」で割った額のみ責任を負います。

 

 

5. 求償権

   債務は債務者が支払わなければなりません。しかし、保証人(または連帯保証人が支払った場合、 その債務に対しては 「全額」の返還を請求できます。また、他に保証人がいる場合(共同保証)、その保証人に対しても、「負担部分」について請求することができます。この権利を「求償権」といいます。

 

 

 

 

【保証】          

 

事例

Bが債務者となり1,000万円をAから借金を

する際にCとDが 保証人になり、

Cが1,000万円を弁済した場合

保証人の資格

保証人は誰でもよいが、主たる債務者が

保証人を立てる義務がある場合には、

下記の「2つ」の要件を満たす者でなければならない

①   行為能力者であること(=未成年者等でないこと)

②   弁済資力があること

・債権者が保証人を指名したときは

上記の資格は不要である

保証契約

保証契約は「債権者」Aと

「保証人」CおよびAとDとの間で行われる

① 債務者Bの意思に反して行うことができる

②   保証契約は書面や電磁的記録で行う(口頭はダメ)

分別の利益

Cのほかに保証人Dがいた場合、

Cは500万円しか責任を負わない

(つまり、頭割りにした分しか責任を負わない)

求償権

CがBに代わって1,000万円を弁済した場合、

Cは債務者Bや他の保証人Dに求償することができる(求償権)

 求償の範囲

① 主たる債務者に対しては「全額」

 請求できる

② 共同保証の場合、自己の負担部分を

超えて弁済した保証人は、他の保証人に対して

各自の「負担部分」について求償することができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

担保制度等 ②   保証債務の性質

 

チェック項目

保証債務の「付従性」「補充性」とは何か?

 

保証債務には、下記のような「付従性」「補充性」の性質があります。この性質を理解しなければ、保証関係の問題を解くことはできません。

 

1.   付従性

①  「付従性」とは、「主たる債務に生じた事由は保証債務にも効力を及ぼす」ことをいいます。つまり、主たる債務と、 保証債務にはそのまま同じことが生じます。「主たる債務が消えれば、保証債務も消える」ということであるので、下頁の①~④の具体例を押さえてください。

この付従性を応用をすれば、下頁の⑤⑥のようなことも保証人は主張することができます。

 

2.   「保証人」に生じたことは、主たる債務者に影響しない

 

 付従性とは「主たる債務者に生じたことは保証人にも影響する」ということです。逆に、弁済や相殺などを除いて、「保証人」に生じたことは、「主たる債務者」には影響はしないということです。 (例)

 

・「債務者」に請求→主たる債務者だけでなく保証人の時効も更新する

・「保証人」に請求→債務者の時効は更新しない

 

 

 

 

3. 補充性

 保証債務は主たる債務が履行されないときに履行されるのであり、主たる債務者が履行できるのであれば、保証人は履行する必要はありません。この性質を「補充性」といい、保証人には下記の権利が認められます。

 

①  催告の抗弁権

 保証人への直接請求に対して、まず「主たる債務者に請求せよ」と主張 できる権利です。ただし、債務者が破産手続開始の決定を受けたときや行方不明の場合は主張できません。

②  検索の抗弁権

保証人は、主たる債務者に「弁済資力」があることと、その「執行が容易であること」を証明すれば、「まず主たる債務者の財産を差し押さえよ」と主張できる権利です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【保証債務の性質】

 

事例

・AがBから借金1、000万円借金を

 するときに、Cが保証人となった場合

 

       1、000万円

 (債権者) A――――――→B(主たる債務者)

         \ 主たる債務 

  保証債務       \

               ↘

                     C  (保証人)

                        

            

 

 

 

付従性

 

① A・B間の債務が詐欺・強迫などで

取り消されて無効になった場合、

A・C間の保証契約も無効となる

② A・B間の債務が弁済などで消滅すれば、

A・C間の保証債務も消滅する

③ A・B間の債務が減額されば、

保証債務も減額

(ただし、増額されても、保証債務は増額されない)

重要④ A・B間の債務が「請求」などに

より時効が更新すれば、

A・C間の保証債務の時効も更新する

応用

(付従性については、下記の応用例も重要!)

⑤  Bに、Aに対する「反対債権」があった場合、

Cは、 その相殺権の行使によって

債務を免れる限度において、債務の履行を

拒むことができる

応用

⑥  BがAに対して同時履行の抗弁権を

主張できるのであれば、Cも同時履行の抗弁権を

主張することができる

補充性

 

①  催告の抗弁権

AがCに1、000万円の支払い

請求をしてきた場合、

CはAに「まずB に催告せよ」と主張できる

 

・Bが「破産手続開始の決定」を受けたときや

「行方不明」の場合は主張できない

 

② 検索の抗弁権

AがCの財産に強制執行してきたときに、

CはAに「Bの財産に強制執行せよ」と主張できる

・ただし、CはBに弁済資力があること

執行が容易であることを証明しなければならない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

担保制度等  ③ 連帯保証

 

チェック項目

「通常の保証」「連帯保証」はどこが異なる?

 

 

1.  連帯保証

   連帯保証とは、「保証人が主たる債務者と連帯して保証債務を負うこと」を約する保証です。簡単にいえば、 連帯保証人は、主たる債務者が負っている債務を、主たる債務者と同様に「全額」を負わされるのです。

 2. 「保証」と「連帯保証」の相違

保証と連帯保証の相違は、下記の「3つ」です。

 

 

 

①  連帯保証には補充性がない

  連帯保証には「補充性」がありません。これを言い換えると、「連帯保証には「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」がない」ということになります。

したがって、債権者が「支払え!」と言ってきたときに、「まず主たる債務者に請求せよ」と言い返すことなどができなくなるのです。

 

 

② 連帯保証には「分別の利益」がない!

 連帯保証には「分別の利益がない」ので、連帯保証人は、他に保証人が複数いる場合でも、その保証額は頭割りとはならず「全額」請求されます。

 

② 連帯保証人に生じた「弁済、更改、相殺、混同」は、債務者に影響する!!

 「連帯保証」の場合には、「更改」「相殺」や「混同」については、主たる債務者について効力を及ぼします。 具体的に説明すると、下項のようなことがいえます。

 

 

 

 

【試験の落とし穴】

 

<「連帯保証」の特徴を押さえよう! >

① 連帯保証には、「補充性」と「分別の利益」はない。

 

 

② 連帯保証も保証である以上、「付従性」はある。

 

 (主たる債務が消滅すれば、連帯保証債務も消滅する)

 

 

 

 

 

 

 

 

[保証と連帯保証の相違(基本)]

事例

AからBが借金1,000万円をするときに、

Cが保証人となった場合

  

    1、000万円

 (債権者)A――――――→B(主たる債務者)

        \ 主たる債務 

            \

    保証債務    ↘

                 C(保証人)

                        

    

            

 

 

保証

連帯保証

「付従性」はあるのか?

「補充性」はあるのか?

×

「分別の利益」はあるのか?

×

 

・付従性成立・・・移転・変更・消滅     【保証債務の性質】まで移動

・補充性・・・催告の抗弁権・検索の抗弁権

 

        ↓

[保証と連帯保証の相違(応用)]

 

債権者から「請求」があった場合

保証

連帯保証

 「主たる債務者」にした「請求」 →保証債務に影響するのか?

「保証人」にした「請求」 →主たる債務者に影響するのか?

×

×

解説

 「保証人」に「請求」して保証債務の時効が更新した場合 →主たる債務者の時効は更新しない

「連帯保証人」に「請求」し、連帯保証人の時効が更新した場合 →主たる債務者の時効は更新しない

 

 

 

 

 

担保制度等 ④ 連帯債務

 

チェック項目

連帯債務の「相対的効力」「絶対的効力」とは何か?

 

 

1.     「分割債務」と「連帯債務」

 ①     私たちの日常生活においても、複数人で債務を負う場合があります。

 例えば、「共同で物を購入する」ような場合、自分が支払う金額は、自分の分だけです。これを「分割債務」といいます。

 (下項の例では、B・C·DはAに対して各自500万円の支払債務を負う)。

 

 

 

 

②   これに対して「連帯債務」とは、数人の債務者が「同一内容」の債務を「各自」が「独立」して「全額負担」する債務をいいます。

・下項の例では、B・C・DがAに対して、それぞれ別々に1,500万円 の代金全額の支払債務を負うことになる。 なお、連帯債務者の1人が「弁済等」をすると、その額が消滅し、その弁済等した者は「求償」することができる。

 

 

 

 

 

2.   連帯債務の「相対効」と「絶対効」

    連帯債務については、下記のような特徴があります。

①  相対的効力

   連帯債務は、各個人が独立した債務を負うので、連帯債務者の1人に生じた事由が、他の連帯債務者に効力が及ばないのが原則です。

例)

    a.    連帯債務者の1人が「破産手続開始の決定」を受けても、他の連帯債務者の債務金額が変わることはありません。

   b.   連帯債務者の1人が債務を「承認」し時効が更新したとしても、他の連帯債務者の時効は更新しません。

 

 

 

 

② 絶対的効力

例外的に、連帯債務者の1人に生じた事由が、他の連帯債務者に効力が及ぶこともあります。この内容については、下頁の「4つ」の事例を覚えてください。

 

 [試験の落とし穴)]

<「絶対的効力」を有する「4つ」の事由以外は「相対的効力」である>

 

・絶対的効力(4つの事由)→他の債務者に影響する

 

・相対的効力(4つ以外の事由) → 他の債務者に影響しない

 

 

 

 

 

 

[連帯債務の絶対的効力]

事例

         B500万円(連帯債務者)(各自負担)

1、500万円   ↗

       /

A ―――――――――→C500万円(連帯債務者)(各自負担)

 (債権者)  \

           ↘

         D500万円(連帯債務者)(各自負担)

絶対的効力を有する「4つ」の事由

(1)

弁済

Bが債務を弁済すると、その額だけ他の

連帯債務者の債務も消滅する

(2)

更改

1,500万円の債務を負担する代わりに、

Dが、 D所有の土地をAに引き渡す

更改契約をすれば、B・CのAに対する債務は「消滅」する

・更改とは、旧債務を消滅して

契約内容を変更することをいう

(3)

混同

 DがAを相続した場合、

Dが弁済したものとみなされ、

B・C のAに対する債務は「消滅」する

・混同とは、同一人に、債権者の立場と

債務者の立場が帰属することをいう

(4)

相殺

DがAに対して1,500万円の反対債権を

有する場合、DがAに対してその反対債権で

相殺すると、弁済したのと同じなので、

B・CのAに対する債務も「消滅」する

 ・反対債権を有するDが、相殺をしない

場合でも、ほかの連帯債務者B・Cは、

Dの「負担部分」の500万円を

限度として相殺を援用することができる

 

 

 

 

[更改とは]

更改とは、債権者と債務者が同一になること

 

(債権者)             (債務者)

(死亡)   1.000万円     (相続人)

A―――――――――――――――→B

      ↓

B―――――――――――――――→B

     債権は消滅する

 

 

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令和元年度 宅建過去問 1問1答解説

こちらについては正解問題に焦点をあて解説していきたいと思います。

書籍は宅建試験合格の一助になれば幸いです。

目次

1.宅建業法

2.民法

3.法令上の制限

4.その他の科目

問4

ア 宅地建物取引業者A(国土交通大臣免許)が甲県内における業務に関し、法第37条に規定する書面を交付していなかったことを理由に、甲県知事がAに対して業務停止処分をしようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議しなければならない。

不正解です。なぜなら、指示処分は不正行為等をした宅建業者に免許をした者と、宅建業者が不正行為をした所在地を管轄する知事が指示処分します。

業務停止処分(最長1年)

①   不正行為等をした宅建業者に免許をした者

②   宅建業者が不正行為をした所在地を管轄する知事

免許取消処分

不正行為等をした宅建業者に免許をした者のみ

(=免許権者のみ)

問5

エ 建築工事着手前の分譲住宅の販売において、建築基準法第6条第1項に基づき必要とされる確認を受ける前に、取引態様を売主と明示して当該住宅の広告を行った。

不正解です。なぜなら、建築工事に着手もしくは建築確認が必要だからです。

たとえば、取引態様の明示は広告をするときに明示かつ注文を受けたときに「遅滞なく」明示しなければならないと定められています。また明示は「宅建士」が行う義務はなく、特に「書面」で行う必要はありません。

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