令和2年宅建試験講評 民法改正出題されなかった論点

 

こんにちは。きりん(@kirinaccount)です。

令和2年宅建試験講評 民法改正出題されなかった論点

 

 

 

令和2年12月宅建試験は田園住居地域が出題されました。

平成30年(2018年)に用途地域が改正されてから初出題でした。

 

問題は

【問 18】 次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定 によれば、誤っているものはどれか。

4 田園居住地域内の建築物に対しては、法第56条第1項第3号の規定(北側斜線制限) は適用されない。

 

答✕

 

解説は

田園居住地域内の建築物に対しては、法第56条第1項第3号の規定(北側斜線制限) は適用される。

 

 

田園住居地域は用途制限については、田園住居地域と第一種・第二種低層住居専用地域(特に第二種低層住居専用地域)とでほぼ共通です。(ただし、田園住居地域には、第二種低層住居専用地域に建築できる用途に加えて、①農産物の生産・集荷・貯蔵に供する一定のもの、②農業の生産資材の貯蔵に供するもの、③2階以下かつ床面積の合計が500㎡以内の「地域で生産された農産物の販売を主たる目的とする店舗その他の農業の利便を増進するために必要な店舗・飲食店」なども、建築することができます)。

 

つぎに、民法が改正されてから試験に出題されなかった論点は

意思表示(心裡留保・詐欺)

債権譲渡

連帯債務

契約不適合責任(追完請求)

でした。

 

出題年度は

・意思表示

令和2年・令和元年・平成30年・平成28年・平成27年・平成25年・平成24年・平成23年・平成22年・平成21年・平成20年

・債権譲渡

平成30年・平成28年・平成26年・平成23年

・連帯債務

平成30年・平成29年・平成20年

・契約不適合責任(追完請求)

未出題

でした。

 

・意思表示(心裡留保・詐欺)

心裡留保

A所有の甲土地につき、AとBとの間で売買契約を締結し、BがCに転売した場合、次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものにはO、誤っているものには×をつけなさい。

1問1答 問題文

Aの売渡の申込みの意思は真意ではなく、BもAの意思が真意ではないことを知っていた場合、AとBとの意思は合致しているので、売買契約は有効である。

答✕

 

解説

Aの意思表示は「心裡留保」であり、BがAの意思が真意ではないことを知らない場合は、契約は「有効」となるが、BがAの真意を知り、または知ることができた場合(=悪意または有過失)は、意思表示は「無効」となり、契約は成立しない(民法93条1項)。

 

詐欺

A所有の甲土地につき、AとBとの間で売買契約を締結し、BがCに転売した場合、次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものには〇、誤っているものには×をつけなさい。

1問1答問題文

CはBとの間で売買契約を締結したが、AB間の所有権移転登記はAとBが通じてした仮装の売買契約に基づくものであった場合、CがAB間の売買契約が仮装であることを知らず、知らないことに無過失であっても、Cが所有権移転登記を備えていなければ、Aは所有者であることをCに対して主張できる。

答✕

解説

Aが、Dの詐欺(第三者による詐欺)によってBとの間で売買契約を締結した場合、Dの詐欺をBが知っている場合(悪意)または知ることができたときに限って、Aは売買契約を「取り消し」できる(民法96条2項)。

 

 

債権譲渡

債権・債権譲渡

Aが、Bに対して有する1,000万円の金銭債権をCに譲渡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものには 〇、誤っているものには×をつけなさい。

1問1答問題文

AB間の代金債権には譲渡禁止特約があり、Cがその特約の存在を知らないことにつき重大な過失がある場合には、BはCへの履行を拒むことができる。

答〇

解説

債権は譲渡することができるが、当事者が債権譲渡の「禁止特約」を設けた場合であっても、債権譲渡の効力は妨げられない。しかし、債権譲渡禁止特約は善意・重過失のない第三者に対抗することができない(民法466条3項)。したがって、Cは善意であっても重過失があるので、Bはこの代金債務の履行を拒むことができる。

 

連帯債務

AとBとが共同して、 Cから、 B所有の土地を 2,000万円で購入し、代金を連帯して負担する(連帯債務)と定めた場合、次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、 正しいものには 〇、 誤っているものには×をつけなさい。 なお、A、Bの割合は均一とする。

 

1問1答問題文

Cは、 Aに対して2,000 万円の請求をすると、それと同時には、Bに対しては、 全く請求をすることができない。

答✕

 

解説

「連帯債務」における債権者は、債務者の1人または全員に対し、同時または順次に全部または一部の履行の請求をすることができる。(民法436条)。

 

・契約不適合責任(追完請求)

売主AからBが不動産(建物又は土地)を購入した場合、次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものには 〇、誤っているものには×をつけなさい。なお、ABは宅地建物取引業者ではなく、また、特約はないものとする。

 

1問1答問題文

Bが購入した建物に契約内容に適合しない隠れた欠陥が発見された場合、Bは、この欠陥がAの責めに帰すべき事由により生じたものであることを証明したときに限り、この欠陥に基づき行使できる権利を主張できる。

答✕

解説

「契約不適合責任」は、売主の責めに帰すべき事由の有無にかかわらず担保責任(追完請求等)を追及することができる(民法562条)。

 

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