宅建 民法 契約総論~危険負担

宅地建物取引士 試験 民法    

 

 

           みだし
           1.契約の基本的事項
           2.条件と期限・停止条件
           3.債務不履行/履行遅滞/履行不能
           4.手付/手付による解除
           5.損害賠償の予定/過失相殺
           6.危険負担/債務不履行/原始的不能

 

 

 

 

 

 

契約総論 ① 契約の基本的事項

チェック項目
同時履行の関係に「なる」それとも「ならない」?

1. 契約の分類

 

典型契約と非典型契約
民法では典型的な契約を「13種類」(下頁)規定しています。これを「典型契約」(=有名契約ともいう)といい、この13種類以外の契約を「非典型契約」といいます。また、このほかにも下記のように契約を分類することができます。

① 有償契約と無償契約
 売買や賃貸借のように、契約当事者双方が互いに経済的対価を支払う契約を「有償契約」といい、贈与や使用貸借のように一方だけが経済的対価を支払う契約を「無償契約」といいます。
② 双務契約と片務契約
 契約当事者の双方が義務を負うのか、片方だけが義務を負うのかという面からみると、「双務契約」と「片務契約」に分類できます。
③ 諾成契約と要物契約
 当事者の合意だけで成立するのか、物や金銭を引き渡すことで成立するのかという面から、「諾成契約」と「要物契約」に分類できます。

 

 

 

 

2. 同時履行の抗弁権
 「同時履行の抗弁権」 とは、「双務契約」の当事者の一方は、相手方が債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができるという権利です(下降参照)。また、一見すると「同時履行の関係になる」ように思える内容であっても、「同時履行の関係にならない」ものもあります。

 

 

「同時履行の抗弁権」については、同時履行の関係に「なるのか?」「ならないのか?」が問われるので、下頁の表の「判例」を覚えてください。

 

 

 

[試験の落とし穴]
・民法の「13種類」の契約のうち、受験対策としては下図の①③④⑤⑦⑨の契約だけを押さえればよい。
・賃貸借契約は、借地借家法と合わせて学習する。

 

 

 

 

 

[宅建試験でよく出る契約]
民法に規定する契約は下記の「13種類」がある

①売買契約  ②交換契約  ③贈与契約 ④賃貸借契約  ⑤使用貸借契約  ⑥消費貸借契約  ⑦委任契約  ⑧寄託契約  ⑨請負契約  ⑩雇用契約 ⑪組合契約 ⑫終身定期金契約     ⑬和解契約

 

 

 

 

 

[同時履行の抗弁権]
事例
     物件の引き渡し
  ―――――――――――→
A     同時履行       B
  ←―――――――――――
      代金の支払

 

 

解説
① AとBがA所有の家屋の売買契約を行った場合、Aは家屋を引き渡す義務があり、Bは代金を支払う義務が生じる。
② Aが家屋を引き渡さないのであれば、Bも代金の支払を拒むことができる権利を有する (このような権利を「同時履行の抗弁権」という)

 

 

 

 

 

 

 

[同時履行に「なる」?「ならない」?]

なる

①請負契約の目的物の引渡しと、報酬の支払は同時履行となる

②契約の取消し後の当事者双方の原状回復義務は同時履行となる

③受取証書(=領収書など)の交付と弁済は同時履行となる

ならない

① 敷金の返還と家屋の明渡しは同時履行ではない→(明渡しが先)

②抵当権抹消請求と代金の弁済は同時履行ではない→(弁済が先)

③債権証書(=借用書)の返還と弁済は同時履行ではない→(弁済が先)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

契約総論 ② 条件と期限

チェック項目
・「条件」と「期限」の相違は?
・「停止条件」の重要ポイントは何?

 

 

1. 「条件」と「期限」

 契約が成立すれば、その効力は契約と「同時に発生」するのが原則です。 しかし、下記のような場合、効力は遅れて発生します

①「転勤になれば、この家屋を売ります」
②「来年の4月1日になれば、この土地を売ります」 ①を「条件」のついた契約といい、②を「期限」のついた契約といいます。 この条件や期限を「契約の附款(ふかん)」といいます。

 

 

 

2. 「停止条件」と「解除条件」
 「条件」とは、法律行為の効力の発生または消滅を将来の「不確実」な事実にかからしめるものをいいますが、条件には、下記の2種類があります。

 

①「試験に合格すれば車を買ってやろう!」というような法律行為の効力が発生するもの。これを「停止条件」といいます。

②「試験に落ちたら援助しない!」というような法律行為の効力が消滅するもの。これを「解除条件」といいます。

 

 

 

・不能の停止条件を付した契約は「無効」となる。
・「停止条件」については、「下頁」のポイントを押さえよう。

 

 

 

3. 「確定期限」と「不確定期限」

「期限」とは、法律行為の効力の発生または消滅を将来の「確実」な事実にかからしめるものをいいますが、期限にも下記の2種類があります。

① 将来的に到来することは確実であり、「来年の4月1日」といった “いつ到来するか確定”しているものを「確定期限」といいます。
②「父が死んだら」というような確実に来るには違いないが、“いつ到来するか不明”なものを「不確定期限」といいます。

 

 

 

 

 

 

[試験の落とし穴]
<契約に「実現不可能」な条件をつけたらどうなる?> 実現不可能(不能)な停止条件をつけた法律行為は「無効」となり、実現不可能な解除条件をつけた法律行為は「無条件」の法律行為となる。

 

 

 

[停止条件の事例]
事例
AがBに対して、「今年宅建試験に合格すれば甲地をやろう!」と贈与契約を書面で行った場合
      (停止条件付き)
甲地/A―――――――――――――B
(贈与する)

解説
① Bが宅建試験に合格した→Bは甲地を取得することができる
② Bが宅建試験に合格しなかった→Bは甲地を取得することができない

 

 

 

 

 

 

[停止条件のポイント]

<停止条件付契約であっても「契約」は成立している>

「停止条件付契約」でも契約は成立しているので、ABは条件が成就する前BOLD(=が宅建試験に合格する前)でも、解除の事由がなければ一方的に契約を解除することはできない

 

条件が成就する前でも、通常の権利と同様に、その権利を「処分」「相続」「保存」またはそのために「担保の提供」をすることができるので、B は、他の者に甲地を譲渡する契約や、担保にしたりすることができる

条件が成就することにより、不利益を受ける当事者が「故意」により条件成就を妨げれば、その条件が成就したものとみなされる(逆に、条件の成就によって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、 条件が成就しなかったものとみなされる)。

もし、Bが、試験場に行けないようにAが「故意」に邪魔をした場合、Bはその条件が成就したものとみなし、Aから甲地の引渡しを求めることができる

 

<停止条件付契約は、条件が成就するまでは「効力」は生じていない>

ポイント

①停止条件付契約は、契約は成立していても、その「効力」は条件が「成就」してからとなる

② 停止条件付契約の効力は、条件が成就してから生じるので、条件が成就する前は、たとえBが甲地の引渡しを要求しても、A は引き渡さなくてよい

 

 

 

 

 

 

契約総論 ③ 債務不履行

チェック項目
「債務不履行」の「成立要件」と「その効果」は?

 

1. 債務不履行の成立要件と「効果」

①  債務者が正当な理由もなく、債務を履行しない場合があります。これを債務不履行といいます。債務不履行には、「履行遅滞」「履行不能」「不完全履行」の3種類があり、いずれも債務者の責めに帰すべき事に により、債務を履行しない場合に認められます。

 

② この債務者の責めに帰すべき事由は、契約その他の債務の発生原因および取引上の社会通念に照らして判断します。

③ 「債務者」が債務不履行の責任を免れるためには、その不履行が自己の責めに帰すべき事由でないことを立証しなければなりません。

④ 債務不履行があった場合、契約を「解除」したり、「損害賠償」の請求をすることができます。

 

 

 

 

 

2. 「債務不履行」による解除の方法
 債務不履行による契約解除は、一方的に契約が初めからなかった状態にする行為です。この解除については、下記のポイントを押さえておきましょう。

①  この解除権の行使は、相手方に対する一方的意思表示によって行い、 相手方に「到達」したときに「効力」が生じます。

②  契約の当事者の一方または双方が数人いる場合には、その「全員」から、または「全員」に対して解除の意思表示をしなければなりません。

③ いったんなされた解除の意思表示は「撤回」することができません。 また、解除がなされると、契約は遡及的に(=さかのぼって)なくなります。つまり、白紙状態になるのです。最初から契約がなかった状態に なるのですから、互いに「原状回復」する義務を負うことになります。

④  返還すべきものが「金銭」の場合には、受領の時からの「利息」を付けて返還しなければなりません(解除の時からではない)。

⑤ 契約の当事者が契約を解除しても、目的物がすでに第三者に移転している場合、その「第三者」に対してその返還を求めることはできません (この「第三者」には、「善意」・「悪意」は関係なく、対抗できません)。

・「不動産」の場合には、第三者の善意・悪意を問わないが、対抗するためには「登記」が必要となります。

 

 

 

 

[債務不履行の形態]

履行遅滞

内容

「履行遅滞」とは、履行期に履行が可能であるにもかかわらず、債務者の責めに帰すべき事由により、履行期にその履行がなされない場合である

・「債務者」に「同時履行の抗弁権」がないことも要件となる

 

ポイント

履行遅滞の時期 法改正

① 確定期限の債権の場合は、期限の到来した時より遅滞となる (12月8日が期限とすれば、12月8日を過ぎれば遅滞となる)

②  不確定期限の債権の場合は、債務者が期限到来後、履行の請求を受けた時、または期限の到来を債務者が知った時のいずれか早い時より遅滞となる

 (Aが死亡したときに借金を返済するとした場合は、Aの死亡を債務者が知った時より遅滞となる)

③ 期限の定めのない債権の場合は、債権者が履行を催告した時より遅滞となる

 

効果

・相当な期間を定めて催告し、その期間内に履行されなければ解除することができる。なお、定期行為は催告をしないで解除できる

・解除するときでも、損害があれば損害賠償請求もできる

・解除するためには、自らの履行も「現実に提供」しなければならない

履行不能

内容

「履行不能」とは、債務者の責めに帰すべき事由により履行期に履行が不能となる場合

効果

・催告なしに解除ができる

・損害があれば、解除と併せて損害賠償の請求もできる

 

 

 

 

 

 

 

[履行遅滞と履行不能の相違]

「履行遅滞」と「履行不能」は、ともに解除権が発生するが、下記の点に注意!

相違

① 履行遅滞により解除するときは、催告して解除しなければならない

②  履行不能の場合は、直ちに解除することができる

ポイント

債務不履行・履行遅滞

                                          損害賠償

     ・履行不能

 

 

 

 

 

契約総論  ④ 手付

チェック 「手付」による解除は「どのように行う」?

 

1. 解除の種類
 解除事由には、「債務不履行」などにより発生する「法定解除」のほかに、「手付金を放棄」することによる解除や、買戻しするときの解除など、契約の当事者の間で定める「約定解除」があります(その他、「合意解除」もある)。

 

 

 

2. 「手付」による解除
 通常、売買契約時に買主が売上に「手付金」を交付します。この金銭の交付目的は、「証約手付」「違約手付」「解約手付」の3つといわれています。
「どの内容」にするかは当事者で定めますが、何も当事者間で定めなければ、民法では「解約手付」と推定されます。

 

① 「解約手付」とは、「買主」は「手付さえ放棄」すれば相手方に債務不履行がなくても、契約を解除することができるというものです。したがって、債務不履行とは異なり、損害があっても損害賠償はできません。

 

②「売主」も受領した手付の「倍返し」をすれば、やはり、契約を解除することができます。なお、手付を倍返しする場合、その金額を現実に提供しなければなりません。

3. 手付による解除は「いつまで」することができるのか?
「解約手付」による契約の解除は、いつまでもできるわけではありません。手付が交付された場合、当事者の一方は「相手方が契約の履行に着手するまで」に行 う必要があり、相手方が履行に着手した後は手付による契約の解除はできません。 ここでは、下記の2点に注意してください。

①「相手方」が履行に着手した後は「自分」から解除できなくなります。

②「自分」が履行に着手していても、「相手方」が履行に着手していなければ、 「自分」からは解除することができます。 この具体的な内容は、下頁の事例を見て押さえましょう!

 

 

 

 

 

[試験の落とし穴]
(手付の内容を定めず「不明」な場合は、「解約手付」と推定される)

①  契約締結の証拠として、授受される証約手付

②  債務不履行の場合に没収されるという趣旨で交付される違約手付

③ 解除権を留保する目的で交付される解約手付

 

 

 

 

[手付による解除]
<AまたはBが「手付」による「解除」を行う場合>

事例1.

  
     
        売買契約
    ・「手付」の倍返しによる解除ができる
     ――――――――→
(売主)A          B(買主)
価格1.000万円       
     ←――――――――手付金・200万円
・「手付」の倍返しによる解除ができる

解説
①   Bが契約を解除したいときは、Bは手付金200万円を放棄すれば解除できる。またAが契約を解除したいときは、手付金の「倍額」400万円を支払えば解除
できる
②   「手付による解除」を行う場合、手付を放棄してもまだ損害が残るときであっても、損害賠償を請求することはできない

 

 

 

 

[いつまで「手付による解除」ができる?]

事例2.
        売買契約
     ・手付による倍返しによる解除ができない
(売主)A ―――――――――――→ B(買主)
価格1.000万円 
       ①←―――――手付金・200万円
       ②←―――――中間金・500万円

解説

(売主Aから解除できる?)
①  Bが契約後さらに中間金500万円を支払った場合(=Bが履行に着手したことになる)には、Aは、もはや倍返しの400万円を支払っても解除はできない

(買主Bから解除できる?)
② Bが履行に着手した場合でも、Aから登記の移転などをしてもらっていなければ(=Aが履行に着手していない場合)、Bからは、まだ手付を放棄すれば 解除することができる 「自分」が履行に着手していても、「相手方が履行に着手していなければ、自分からはまだ解除することができるので「ひっかけ」に注意!

 

 

 

 

 

 

契約総論 ⑤ 損害賠償

チェック項目
「損害賠償額の予定」とは?

1. 損害賠償  

 「債務不履行」となった場合、その責任追及手段として、前述の契約に解除のほかに、損害賠償の請求をすることができます。しかし、仮に損害賠償の請求ができるとしても、一体どれだけの請求ができるのでしょうか?
①  損害賠償の「範囲」は、債務不履行により通常生じるであろう損害と定めています。しかし、「特別の損害」でも、当事者がその事情を予見すべきであった場合には、その損害の賠償請求もできます。

② 「金銭債務」については特別の規定があるので、下頁のポイントの内容を押さえてください。

 

 

2.  損害賠償額の予定
① 債務不履行により損害賠償請求をする場合、「損害が発生したかどうか」「いくらの損害が発生したか」 ということを債権者が立証しなければなりません。しかし、債務不履行があれば、損害の発生や損害額を証 明しなくても最初に決めた損害額を請求できる制度があります。これが 「損害賠償額の予定」です。

 

②  この損害賠償額の予定と似たものとして違約金があります。この「違約金」は損害賠償額の予定と推定され、「損害賠償の範囲」は、違約金の額となります。 ③ 損害賠償額を予定すれば、実際の損害がその予定額より多くても少なくても変えることはできず、いくら実損額を証明しても、合意する場合を除いて、裁判所でも損害賠償予定額を「増減」することはできません。

 

 

 

 

3. 過失相殺
①   過失相殺とは、債務不履行があった場合、債権者にも不注意があった (=過失があった)ため損害が発生したり、または損害の範囲が拡大したときには、裁判所は、これを考慮して、損害賠償額を減額したり、場 合によってはゼロにすることもできるというものです。
②   「債務不履行」の場合、この過失相殺は、債務者の主張がなくても、裁判所は「職権」ですることができます。

 

 

[金銭債務の特則]
原則
債務不履行が成立するためには、債務者に「故意・過失」が必要であり、不可抗力については責任を負わないのが原則

 

 

 

金銭債務の例外
①  「金銭債務」については、債務者に故意過失がなくても、債務者は損害賠償責任を負う

②  これは不動産の売買のような場合には、その物が滅失すると、その目的物の引渡しが不能になるが、金銭の場合には履行不能となることはなく、単に「遅れた」という履行遅滞となるだけになる

ポイント

<「金銭債務の不履行」については、下記のように規定されている>
①  金銭債務の不履行は、不可抗力をもって対抗することができない (=債務者の故意または過失はいらない)
②  金銭債務の場合は、債権者は損害を証明しなくても、単に履行遅滞となり、債権者は法定利息年3%の請求ができる 法改正

 

 

結論
要するに、金銭債務には言い訳は許されず、遅滞があった場合は、その分の利息を支払わなければならないということ

 

 

 

[試験の落とし穴]
<「損害賠償金の額」と「違約金」は民法と宅建業法では異なる>
①   民法では、損害賠償金の額に制限はない。
②   宅建業法では、宅建業者が自ら売主8種制限となる場合、 「損害賠償の予定額」 と 「違約金」との合算額は代金の2/10が限度となる。

 

 

 

 

 

 

契約総論 ⑥ 危険負担

チェック項目 「危険負担」とは?

1. 原始的不能
① 「原始的不能」とは、例えば、家屋の売買契約の「前日」において、すでに目的の家屋が焼失していた場合、売主は契約当初から家屋を買主に引き渡せません。これを「原始的不能」といいます。

 

② 原始的不能となった場合、売主の債務は履行できないので、買主は履行不能による契約解除、損害賠償請求ができます。

 

2.  履行不能 

 「履行不能」とは、債務不履行の一種であり、債務者の責めに帰すべき事由により履行ができない場合です。
契約の相手方は、その債務が履行できないのであれば、「契約解除」や「損害賠償の請求」をすることができます。

 

 

3.   危険負担 法改正
① 「危険負担」とは、双務契約において、「契約成立後その履行完了前」に、一方の債務が「債務者の責めに帰すことのできない事由」によって履行不能となった場合、残った一方の債務を「誰が危険負担するのか?」ということです。

②  危険負担の場合。「売主」(債務者)が負担します。つまり、買主(債権者)は、売買代金(反対給付)の支払いを拒むことができます。

 

 

[試験の落とし穴]
<原始的不能・債務不履行・危険負担>
例)・建物が滅失したときの、滅失時期

        (債務不履行・売主に過失あり)
    (契約)      (引渡し)
―――――――|―――――――|――――――→
(原始的不能) (危険負担・売主に過失なし)

 

 

 

 

 

[原始的不能・履行不能(債務不履行)・危険負担の関係)]

A所有の家屋を2,000万円でBに売却する契約をし、家屋が焼失したら「どうなる」 ?
「原始的不能」「履行不能」「危険負担」について考えてみよう。

事例
売主               買主
  A   ―――――――――――→ B
2.000万円

 

 

① 原始的不能

(契約の前日にAの家屋が焼失していた場合)

(効果) →履行不能による損害賠償が可能

上図のように、Aが所有する家屋をBが2,000万円で購入する売買契約を締結した場合、もし、「契約成立時」にすでに家屋が消失していた場合
   
家屋を渡せず「原始的不能」となり、Bは契約解除、損害賠償請求が可能となる

 

 

 

 

 

② 債務不履行
(契約後、引渡し前にAの過失で焼失した場合)

(効果) → A は債務不履行責任を負う

契約成立後、Aの寝タバコ等(過失)により焼失した場合

Aは債務不履行責任(=履行不能)を負い、BはAに「契 約解除」、「損害賠償の請求」ができる

 

 

 

③ 危険負担
(契約後、引渡し前に AB 双方の過失なく焼失した場合)
(効果) →Bは売主 A に対して代金の支払いを拒絶できる

契約成立後、Aの過失なく焼失した場合

危険負担の問題となる。この例ではBがAに対して代金の支払いを拒絶することができる (履行不能を理由とする解除も可能)

 

 

 

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