歯科技工学/歯の解剖学/歯と歯周組織

こんにちは。きりん(@kirinaccount)です。

歯周組織について調べました。ワードプレスしています。

 

 

  歯周組織
  セメント質、歯根膜(しこんまく)、歯槽骨(しそうこつ)、歯肉を総称して歯周組織(ししゅうそしき)(periodontium)といいます。歯の支持装置としての機能以外に、栄養、感覚などの機能を有しています。一般に、歯周組織に対する配置は歯に比べて低く、歯が抜歯の対象となるような状態になってはじめて、歯周組織の重要性を認識することとなります。
  歯周組織が健康に保たれている限りにおいて、歯はこれらの支持を得て十分に咬合機能を担うことができます。しかし、生理的な加齢現象や局所的な刺激、全身性疾患などの影響が加わると、歯や歯周組織にさまざまな変化が現れてくるようになります。歯周組織を健全な状態に保つことが、正常な咀嚼機能を維持することにもなります。

1 歯根膜
  歯根膜(periodontal membrane)は、歯周靭帯(periodontal ligament)ともよばれます。
歯小嚢由来の組織で、セメント質と歯槽骨の間の(歯根膜隙、periodontal space)に存在する緻密な線維性結合組織です。歯を歯槽に保定し、セメント質と歯槽骨に栄養を補給するほか、咬合力に対する緩衝作用、感覚器として痛・触・圧覚の機能を司ります。
 歯根膜の厚さは0.2~0.4mmで、その厚さは部位や機能状況によって異なります。一般に、前歯は臼歯に比べて薄く、近心部は遠心部より薄いです。同一歯では、歯頸部が最も厚く、次いで根尖部で、根中央部が最も薄いです。
  歯根膜の主線維成分はコラーゲン線維で、直径約5㎛の線維束を形成し、弾性繊維はその構成には関与しません。両端がシャーピー線維となっていて、セメント質および歯槽骨のなかに埋め込まれて固定されています。

 歯の断面図では歯根膜の主線維束はおおよそ次のような走行をとります。
① 歯槽頂線維群(alveolar crest fiber gruop):歯槽骨頂から斜上方に走って歯頸部のセメント質に至る線維、歯を歯槽から引き抜く力に抵抗します。
② 水平線維群(horizontal fiber group):歯槽骨頂近くから水平にセメント質に達する線維、歯に横から加わる力に抵抗します。

③ 斜走線維群(oblique fiber group):歯槽骨から斜下方に走り、根尖側寄りのセメント質に至る線維、歯軸方向の咬合圧に対しても最も有効に抵抗します。

④ 根尖線維群(apical fiber group):根尖周囲の歯槽骨から根尖側のセメント質に至る線維、歯を歯槽から引き抜く力に抵抗します。
⑤ 根間線維群(interradicular fiber group):複根歯の場合のみ認められ、根間中間の頂点から根分岐部のセメント質に向かって放射状に走行する線維、歯を横および歯槽から抜くような力に抵抗します。

  歯の水平断面では、歯槽骨とセメント質とを結ぶ主線維は歯の接線方向に斜めに走っています。前述しました線維束の間には脈管神経隙(interstitial space)という空隙があり、神経や血管、リンパ管の通路となっています。神経には、①歯髄に行く上・下歯槽神経が歯槽底で分岐したもの、②歯槽骨内の神経が歯槽の壁を貫いたものとがあります。痛覚のほかに圧覚、触覚などを受容する各種神経終末が存在します。血管には、①歯髄に行く上・下歯槽動脈が歯槽底で分岐したもの、②歯肉から下降する動脈、③骨髄腔から歯根膜隙に現れる動脈などがあり、これらの動脈が互いに吻合(ふんごう)して血管網をつくっています。血管網は歯頸部と根尖側、またセメント質よりも歯槽骨側で豊富であり、毛細血管となって歯根膜隙を灌漑(かんがい)した後、静脈に移行し、歯槽動脈に伴行する静脈に流入します。リンパ管は静脈とほぼ同じ経路をとりながらリンパ管網をつくります。
 なお、歯根膜隙中のセメント質に近いところでは、前述したようにヘルトウィッヒ上皮鞘の崩壊物としてマラッセの上皮遺残が、歯根膜特有の細胞集団として存在しています。

2 歯槽骨
  歯槽骨(alveolar bone)は歯小嚢由来の組織で、歯根を容れる(いれる)器として歯槽(tooth socket, alveolus)の壁をつくっている骨質です。歯が存在するときは顎骨の一部として存在し、歯が喪失すると歯槽骨も吸収され消失します。
生涯を通じて骨改造が行われており、骨の吸収と添加を繰り返しています。解剖学的には、上顎は歯槽突起(alveolar process)、下顎は歯槽部(alveolar margin, alveolar crest)といいます。
 歯槽骨は、歯根膜に直接接する部分である固有歯槽骨(alveolar bone proper)と、これを取り囲む支持歯槽骨(supporting bone)に分けられます。

1.固有歯槽骨
  固有歯槽骨は、歯槽の内壁をなす厚さ約100㎛程度の薄い緻密骨であり、神経、血管が貫く多数の小孔(フォルクマン管 volkmann’s canal)がみられるため、篩板(しばん)(cribriform plate)ともよばれます。エックス線学的には、歯槽硬線(laminadura)という白いすじとしてみえる。固有歯槽骨の上縁である歯槽骨頂は支持歯槽骨の緻密骨と移行します。
固有歯槽骨は、組織学的にはさらに2種類の骨組織に分けられます。

 ①線維骨(束状骨):線維骨(bundle bone)は歯小嚢由来の骨組織であり、歯根膜隙(しこんまくげき)に面しています。歯根膜のシャーピー線維が3~6㎛程度の線維束となって この骨質の表面から貫通しているが、その深層にある層板骨までは届きません。歯を顎骨に固定する重要な役割をもちます。

 ② 層板骨:層板骨(lamellated bone)はハバース層板で構成され、骨質内を縦走する血管の通路、すなわちハーバース管を中心として同心円状に配列します。

2.支持歯槽骨
  支持歯槽骨は、口腔前庭側(外板)と固有口腔庭(内板)の緻密骨(compact bone)、すなわち皮質骨(cortical plate)と、 前述しました骨の間を埋める海綿骨(spongy bone)からなります。海綿骨は細い骨梁(こつりょう)で、お互いが連結して網目状構造となっています。骨梁(こつりょう)は咬合時に加わる機能圧に対して力学的要求に適応した配列をなしている。

  ”歯槽骨の吸収像”
  急性または慢性の歯周炎によって、不規則外形をした細胞内に多数の核とミトコンドリアを特徴とする破骨細胞が局所的に増加し、骨吸収が起こります。骨吸収されつつある骨面は、くぼみとなってハウシップ窩が多数吸収され、拡大・癒合することによって、結果として骨吸収が起こります。破骨細胞は石灰塩の除去のみに作用し、石灰化面が露出されると、かわって大食(たいしょく・だいしょく)細胞が有機質の吸収・除去に関与すると考えられています。ハウスシップ窩の後方には、糸球状(しきゅうじょう)の毛細血管がみられます。


  歯肉
1.口腔粘膜
  口腔を覆う粘膜を口腔粘膜(oral mucous membrane)といいます。
口腔粘膜は、組織学的には、粘膜上皮(muscal epithelium)、粘膜固有層(lamina propria)、粘膜下組織(submucosa)からなります。粘膜上皮は、深いほうから、基底層(basal cell layar)、有棘層(ゆうきょくそう)(spinous cell layer)、顆粒層(granular cell layer)、角質層(cornified cell layer)の4層に分けられます。


  口腔粘膜は、口腔、頬、歯槽を覆う粘膜や歯肉や硬口蓋を覆う粘膜などに部位により性質が異なり、機能的な面からは以下の3種類に分けられます。


① 咀嚼粘膜(masticatory mucosa):硬口蓋や歯肉など、咀嚼に際して食物による圧力や摩擦を受ける場所にみられます。上皮は角化性で非可動性です。
② 被覆(ひふく)粘膜(lining mucosa):口唇、歯槽粘膜、頬、口腔底、舌下面、軟口蓋などの筋運動を示すところにみられます。上皮は非角化性で可動性に富んでいます。

③ 特殊粘膜(specialized mucosa):舌背など、感覚機能を有する味蕾(みらい)が存在する部分をいいます。

2.歯肉
  歯肉(gingiva)は、歯槽突起(歯槽部)の表面を覆い、歯の歯頸部を取り巻き、歯と結合して下部組織を保護することによって歯を支持している歯周組織の一つである。歯肉炎(gingival margin)から歯肉-歯槽粘膜境(mucogingival junction)までの範囲であり、咀嚼粘膜に属します。歯肉-歯槽粘膜境で可動性のある歯槽粘膜(alveolar mucosa)に移行します。
 歯肉は辺縁歯肉(marginal gingiva)と付着歯肉(attached gingiva)に分けられる。辺縁歯肉は約1mm幅のやや可動性のある部分で、遊離歯肉ともよばれ、辺縁歯肉溝(marginal gingival groove)を境に付着歯肉に移行します。
  付着歯肉の表面には、直径0.1~0.2mm程度の浅いくぼみが多数認められます。 こちらをスティップリング(stippling)といい、炎症により付着歯肉が腫脹(しゅちょう)するとこれらは消失します。 歯肉は一般には角化性の重層扁平上皮で覆われ、粘膜下組織がなく、歯肉固有層が骨膜と密に結合しているため、弾性がなく可動性に欠けます。こちらのような 構造は粘膜性骨膜(mucoperiosteum)といいます。
なお、辺縁歯肉溝とは、歯を取り囲む浅い裂け目(隙)である歯肉溝(gingival sulcus)の底にほぼ一致するものであるが、辺縁歯肉と歯肉溝は別物です。

”歯肉溝”
 歯肉溝(嚢(のう))の深さは0.5~3.0mmで、正常な場合は2mm以内
とされている。そちらを超えると一般的には病的とみなされる(歯肉ポケット,gingival pocket)。炎症の進展につれて歯肉溝の底はセメント質側に移動し、歯肉溝の底は深くなる(ポケット形成)。歯肉溝(しにくこう)の深化はそちらの歯の健康と直接関わっています。

 歯肉縁(しにくえん)は唇頬側面(しんきょうそくめん)および舌側面(ぜっそくめん)では根尖側(こんせんそく)のほうに凸彎(とつわん)し、隣接面(りんせつめん)では切縁(せつえん)または咬頭側(こうとうそく)に向かって突出した形をとり歯間乳頭(interdental papilla)を形成します。隣在歯(りんざいし)との空隙(くうげき)(歯間腔)(しかんくう)は頬側端(きょうそくたん)と舌側端(ぜっそくたん)は先細り状に膨隆(ほうりゅう)(乳頭)しているが、中央部は鞍状(くらじょう)に陥凹(かんおう)していてコル(col)または鞍部(くらぶ)といわれます。歯間乳頭の上皮は角化性であるが、コルを覆う上皮は非角化性の重層扁平上皮(上皮付着)です。
 歯肉の粘膜上皮は、表面から直接みられる外縁上皮(がいえんじょうひ)(outer gingival epithelium)とエナメル質に面する内縁上皮(ないえんじょうひ)(inner gingival epithelium)とに分けられ、歯肉炎が外縁上皮と内縁上皮との移行部になっています。 外縁上皮は発達した上皮稜(epithelialrigde)を形成し、そちらの下層の歯肉固有層から背の高い乳頭を形成しています。 一方、内縁上皮のうち、歯肉溝上皮(sulcular epithelium)は歯肉溝を裏装(りそう)する上皮で、外縁上皮と続いている。歯肉溝上皮は非角化性で、下層の歯肉固有層には乳頭がみられず、結合組織との境界は直線的です。また、付着上皮(junctional epithelium)は、歯肉溝(しにくこう)の底部から始まりエナメル質に直接付着してセメント-エナメル境まで延びている上皮であり、非角化性で細胞間が広く、数層の薄い細胞層からなります。付着上皮は縮合エナメル上皮に由来します。付着上皮とエナメル質表面との接着様式は上皮付着(epithelial attachment)とよばれています(へミデスモゾーム結合 hemidesmozome)。
 歯肉固有層はコラーゲン線維に富み、5群のコラーゲン線維束として辺縁歯肉(へんえんしにく)を歯の表面へ支持するように一定の方向に配列します。

① 歯頸 -歯肉線維群(dentogingival group):歯頸部とセメント質から外縁上皮や付着上皮に向かう線維束です。
② 歯槽骨-歯肉線維群(alveologingival group):歯槽骨頂から外縁上皮付着上皮に向かう線維束です。
③ 歯頸-骨膜線維群(dentoperiosteal group):歯頸部セメント質から歯槽骨頂を越えて歯槽部骨膜に向かう線維群です。
④ 輪走線維群(circular group):歯頸部セメント質を輪状に取り巻くように走行する線維束です。
⑤ 中間横断線維群(transseptal group):隣接する歯頸部セメント質間を槽間中層を超えて走行する線維群です。
 また、歯肉の神経は大部分が知覚性(三叉神経の枝)であり、上顎(じょうがく)には前・中・後 上歯槽枝、大口蓋神経、鼻口蓋神経、下顎(かがく)には下歯槽神経、オトガイ神経、頬神経などがそれぞれ分布します。また、血管供給は、3方向からの動脈によります。主枝は付着歯肉の固有層を上行(じょうこう)してくる動脈、ほかは歯槽骨(しそうこつ)の骨壁小孔(フォルクマン管)を通って歯肉に分布する動脈、そして歯根膜(しこんまく)の血管網からの交通枝です。歯肉の動脈は歯肉炎に向かって次第に細くなり、毛細血管網を形成した後、静脈に移行し、ほぼ動脈とは逆方向をとって走行します。付着歯肉の固有層を上行してくる動脈とは、具体的には、主として顎動脈の枝で、上顎歯肉には前・中・後 上歯槽動脈、大口蓋動脈、鼻口蓋動脈が分布し、下顎歯肉には下歯槽動脈、オトガイ動脈、頬動脈、舌下動脈などがそれぞれ分布します。一方、リンパ管は歯肉でリンパ管網をつくり、顎下リンパ節、および深頸リンパ節に通じています。
 ”歯周病と全身性疾患について”
歯周病とは歯肉溝(しにくこう)に入り込んだ細菌が歯周組織(ししゅうそしき)を破壊していく病気です。中高年の約8割が罹患(りかん)しているといわれます。全身性疾患との関連性については歯周組織の炎症すなわち歯周病の程度によって、糖尿病、心疾患、早産、低体重児出産、血管障害、肺炎・呼吸器疾患、胃潰瘍、脳卒中、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などへの影響が明らかにされています。血管の流れを介して全身へ影響します。

”喫煙者と非喫煙者の歯周病について”
 歯周状態の比較調査によると、プラーク指数、歯肉出血指数、プロービング時の出血などには差異がないが、喫煙者においては頬舌的(きょうぜつてき)にポケットが深く、アタッチメントロスが大きく、また、歯肉滲出(しにくしんしゅつ)液の量が少なく口腔内細菌も多くみられたということであります。喫煙者は歯内治療、歯周治療のリスクが非喫煙者に比べて増加します。

 歯や歯周組織の加齢現象
歯や歯周組織にみられる加齢現象として、次のようなことが挙げられます。

1.歯の加齢変化
① 歯の咬耗(こうもう):対合歯(たいごうし)との間にみられる咬耗(こうもう)がエナメル質、次いで象牙質(ぞうげしつ)に広がります。高度な咬耗(こうもう)の際には象牙質(ぞうげしつ)が咬合面全体(こうごうめんぜんたい)に露出するようになります。

② 歯の摩耗(まもう):歯ブラシなどの長時間の使用によって
歯質が削除されます。歯頸部(しけいぶ)で象牙質(ぞうげしつ)が露出した楔状欠損(くさびじょうけっそん)はその例です。また、隣在歯(りんざいし)との接触状態は、摩耗(まもう)によって点接触(てんせっしょく)から面接触(めんせしょく)となります。

③ 歯髄(しずい)の変化:加齢とともに、細胞成分の減少と膠原線維(こうげんせんい)の増加により歯髄組織(しずいそしき)の線維化(せんいか)(歯髄結石)(しずいけっせつ)が進みます。

④ 第二象牙質(だいにぞうげしつ)の形成:歯根象牙質(しこんぞうげしつ)
が完成された後も、生理的刺激(せいりてきしげき)に反応して連続的に象牙質(ぞうげしつ)が形成されます。 こちらを 第二象牙質(だいにぞうげしつ)(secondary dentin)といいます。 加齢とともに緩慢(かんまん)な形成速度で形成され、 こちらによって 歯髄腔(しずいくう)と根管容積(こんかんようせき)が減少していきます。生理的第二象牙質(せいりてきだいにぞうげしつ)(physiologic secondary dentin)ともいいます。 咬耗、齲蝕、不適合補綴物などの慢性的局所刺激(まんせいてききょくしょしげき)によっては、生理的第二象牙質より形成速度がずっと速く修復象牙質(しゅうふくぞうげしつ)(reparative dentin)が形成されます。
⑤ 象牙細管の石灰化:高齢者の根尖部(こんせんぶ)の象牙細管(ぞうげさいかん)は高度の石灰化(せっかいか)によって閉鎖され、硬化象牙質(sclerotic dentin)となります。研磨腐食標本(けんまふしょくひょうほん)では透明にみえるため透明象牙質(translucent dentin)といいます。 こちらは 細菌などの侵入に対する一種の防御処置とみられます。

⑥ 象牙質粒の出現:歯髄内(しずいない)の血管栄養障害によって、血栓、細胞変性物、コラーゲン線維などが核となり、象牙質粒(denticle)が形成されます。根尖孔(こんせんこう)が完全に閉鎖することもあります。
⑦ 挺出(ていしゅつ)と近心移動:加齢によって、咬耗を補うため、歯は長軸方向(ちょうじくほうこう)へ移動します(挺出)(ていしゅつ)。また、隣接面(りんせつめん)の摩耗(まもう)に対しては歯の近心移動(きんしんいどう)で補います。

2. 歯周組織の加齢変化
① セメント質の肥厚:エナメル質の咬耗(こうもう)によって、根尖部(こんせんぶ)ではセメント質が肥厚(ひこう)します。また、炎症や咬合機能の低下によってセメント質肥大(ひだい)を起こすこともあります。

② 歯肉炎の退縮と歯肉溝(しそうこう)の変化:加齢によって歯肉炎(しにくえん)は退縮し、歯肉溝(しにくこう)の底は根尖側(こんせんそく)へ移動し、セメント質表面に至ります。前述しました変化は歯肉(しにく)の慢性炎症との関係が深いです。

③ 歯根膜隙(しこんまくげき)の狭小:加齢によって咬合力(こうごうりょく)が減退し、歯根膜主線維の数と太さが減少する場合や、石灰化現象により歯根膜隙(しこんまくげき)が狭くなることがあります。

④ 歯槽縁の退縮:加齢によって歯槽骨壁(しそうこつへき)が薄くなり、骨髄腔の拡大、歯槽縁(しそうえん)の退縮などがみられるが、前述しました、変化は歯肉(しにく)の炎症状態とも関係しています。
3.顎骨の変化
 上下顎骨(じょうげがっこつ)の変化で最も顕著なのは歯槽骨(しそうこつ)の吸収による骨の萎縮です。
  上顎(じょうがく)の歯が喪失すると、歯列弓(しれつきゅう)は元のものと比べて小さくなり、特に前歯部(ぜんしぶ)では顕著な変化を示します。前歯部(ぜんしぶ)では歯が唇側(しんそく)に傾斜しているため、唇側(しんそく)の歯槽骨(しそうこつ)は舌側(ぜっそく)よりも薄く、吸収の程度が顕著であり、咬合面(こうごうめん)からみると歯列弓(しれつきゅう)の位置が元の位置より大きく後退してみえます。歯槽突起(しそうとっき)の吸収が極端に進んだ場合、上顎歯列弓(じょうがくしれつきゅう)の遠心後端部では、翼突鈎が歯槽弓の高さよりも下方に突出したり、洞底下海綿骨が消失して洞底の皮質骨が部分的に欠損することもあります。

  下顎(かがく)では歯が喪失(そうしつ)すると、歯槽弓(しそうきゅう)が元のものと比べて拡大します。特に変化が大きいのは臼歯部(きゅうしぶ)です。下顎臼歯部(かがくきゅうしぶ)は歯が舌側(ぜっそく)に傾斜しているため、また頬側(きょうそく)に厚い緻密骨(ちみつこつ)からなる斜線が存在するため、舌側(ぜっそく)の歯槽骨(しそうこつ)が吸収され、歯槽弓(しそうきゅう)は頬側(きょうそく)に大きく拡大してみえます。歯槽部(しそうぶ)の吸収がさらに進み下顎体(かがくたい)にまで及ぶと、歯槽弓(しそうきゅう)の前面はオトガイ隆起(りゅうき)の高さまで、後面(こうめん)ではオトガイ棘(きょく)の高さにまで低下し、下顎骨上縁(かがくこつじょうえん)では、下顎管(かがくかん)の上壁が一部欠損し、口腔粘膜直下(こうくうねんまくちょっか)に神経、血管が存在するようになります。また、歯槽弓(しそうきゅう)が口腔底粘膜面(こうくうていねんまくめん)より下方に沈下すると、嚥下時(えんげじ)にオトガイ舌骨筋(ぜっこつきん)、顎舌骨筋(がくぜっこつきん)、顎二腹筋前腹(がくにふくぜんふく)が収縮し、舌下腺(ぜっかせん)が歯槽弓(しそうきゅう)の高さより上方(じょうほう)に突出(とっしゅつ)して義歯(ぎし)の安定にきわめて不都合となります。 
 歯の喪失(そうしつ)は歯槽骨内(しそうこつない)の骨梁(こつりょう)にも影響を及ぼし、骨梁(こつりょう)の密度は減少し、歯槽堤幅(しそうていふく)も狭くなります。


体調に気を付けて
合格まで頑張ってください。
応援しています。

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